大人の知的障害【IQ70未満、知的機能の困難。成人で見つかる場合も。精神科医が9分でまとめ】

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こころ診療所チャンネル【精神科医が心療内科・精神科を解説】

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0:05 はじめに
0:53 知的障害とは
2:12 知的障害に気づく時期(大人だと不適応で見つかる)
5:13 大人の知的障害の対策・治療
8:27 まとめ
知的障害は、主にIQ70未満で定義される、全般的な知的機能の障害です。多くは幼少期に見つかる一方で、成人後、不適応や精神不調から見つかる事もあります。成人で知的障害が見つかった場合、まずは福祉の導入も含めた環境調整を行い、それでも残る症状に、薬物療法を検討します。
精神科医が、約9分の動画でまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
こころ診療所吉祥寺駅前 kokoro-kichijo...
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↓↓内容の詳細は下記になります。
(1)はじめに:大人の知的障害
心療内科、精神科の病気。今回は「大人の知的障害」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
生きづらさや不調が長い間続くとき背景に発達障害があるんじゃないかという話が注目されることが多くなってきました。一方で、他の可能性として、考えたり動く「知的機能」の全般的な困難であります「知的障害」というのがあります。
知的障害は幼少期に気づかれることが多いんですけれども、一方で精神まで気づかれず、不適応やうつをきっかけにそれが発見されるということもあります。
気づくこと辛さもあるんですけれども、一方でこれがわかることで、今後のサポートなど対策をとれる部分は少なくありません。
なので今回は、この「大人の知的障害」について見ていきたいと思います。
(2)知的障害とは
まず、知的障害とはということですけれども、これは考えたり動く「知的能力」の全般的な困難ということになります。
少し詳しく見ると考えたり、動いたりする。そういった知的機能の全般的な困難でありまして、IQの検査のIQで言いますと70未満。そこに生活の困難が加わるというのが要件になってきます。
実際、このIQ70未満という方は約2%というふうに言われます。
(3)知的障害の症状
知的障害の症状ですけれども、まさに脳の機能に関連したところですと考えたり、問題を解決したりすることの困難というのが1つ目。
2つ目としては言葉の理解ややりとりの困難。
3つ目としては人間関係・対人面のやりとりの困難というところがあります。
2つ目では、社会生活での症状ですけれども、まずは勉強についていけないことがあると、2つ目としては仕事についていけないことがあると、3つ目としては日常生活でつまずくことがあるということになります。
症状の3つ目としては、精神的な症状でありまして、これは主にストレスの反応で起こることが多いです。
1つ目としては、落ち込みや不安、うつ的な症状というところがありますし、人によってはいらいら・大声・興奮、外に出るという形の方もいらっしゃいます。
人によっては、精神病症状といって幻覚などが出るという方も、中にはいらっしゃいます。
(4)知的障害の気づかれる時期(子供が多いが、成人の場合も)
この知的障害、多くは幼少期に気付かれます。
ある種の幼少期で発見される典型的な流れを見ていきますと、幼少期・子供の頃に発達の遅れというのが、いろいろ検診などで見つかりまして、しっかり調べたところ、知的障害の診断があったということになります。そうなると、特別支援教育などを受けることが多いです。
そういうふうに教育を受けた上で、障害者枠で配慮を受けて仕事をしていく。
こういった流れになることが多いと思われます。
一方で、時に成人まで・大人になるまで気付かれないということがあります。
どういう時に気付かれにくいかという場合の例を見ていきますと、まず1つ目としては見た目の障害が軽いという場合、それは軽度ということもありましょうし、外から見えにくいという場合もあると思われます。
2つ目としては、学校で明確な不適応がないという場合。だいたい気付かれる時、学生になってからですと、学校でうまくいかないというところから気づかれることが多いので、明確な不適応のない場合は気付かれないということがあり得るということです。
そこに関連して3つ目としては、周りのサポートが充実していた場合というところ、本当は困難があるんだけれども、周りがうまくサポートしたおかげで結果として目立たなかったということがあります。
これは裏を返せば、周りのサポートが充実すれば、一回不適応になっても立ち直る余地があるという意味にもなるのかもしれません。
(5)成人での発見の場合は、不適応・精神不調から
そして、成人・大人になって見つかる時に関しては、多くは不適応や精神的な不調から見つかるということがあります。
まず、不適応というところで見ていきますと、特に仕事において、その「ご本人にとって難しすぎる課題」というのがやはり強いストレスになってしまうと。
そうすると、頑張ってもなかなか目標を達成できないということが出てきますので、それで叱責をされたり、仕事を解雇になってしまったりすることが出てくるということであります。
その結果、仕事を転々とすることもありましょうし、うつなど精神不調になることも出てくるということになります。
もう一つの精神不調ですけれども、やはりその難しすぎる課題が続くというのは、これは慢性的な強いストレスということになってきます。
かつどうしても知的能力の限界があると、ストレスに対してストレスマネジメント・自己対処をするというところに関しては、どうしても困難が出てくると。
この2つが合わさりますので、特に成人後、うつ症状が発症したり、長期化したり、繰り返す・反復するということが起こりやすいということになって
(6)知的障害の、境界知能との違い
きます。ここで「知的障害と境界知能の違い」というところを見ていきますと、IQの違いでもあるわけですが、知的障害の場合、より物事の理解や行動などの「知的機能」の困難が強いということになります。
そのため、不適応が出やすいということでもありますし、不適応の時の症状が強い形で出やすいという傾向があります。
一方で、福祉のサポートに関しては、知的障害があった場合はそれを受ける余地がある、というのが大きな違いになります。
(7)大人の知的障害の対策・治療
大人の知的障害の治療の方向性ですけれども、このいわゆる知能面への治療というのはやはりありませんので、対策としては福祉制度を含む環境調整をして、精神面の安定を図るというのが一番メインになってきます。
この「大人の知的障害の対策と治療」という4段階を見ていきますと、まずは発見・見つけるというところ。2段階目は福祉導入の検討をしていくというところ。3つ目は環境調整、そして最後に薬物療法というところになってきます。
<①:見つける>
まず、1段階の見つけるということですけれども、不適応やうつ状態が反復した時、発達障害とともに大人の知的障害の可能性というのを念頭に置いておくと。
特に幼少期から頑張っても何か勉強が苦手などのことがあった場合は、特に念頭に置いておくということになります。
正式には知能検査などをすることで判明するということになってきます。
<②:福祉導入の検討>
2つ目としては、福祉制度導入の検討というところになります。
もしIQ70未満、知的障害の診断があった場合に、いわゆる療育手帳・知的障害者の方の手帳というのが交付が可能かどうかを検討と相談をすることが大事になってきます。
もし、これが交付されるという状況になれば、それを元に必要な福祉サービスを導入することができますので、その導入を検討していくことになります。
そして、もしその療育手帳が難しいという場合に関しては、仮に精神疾患、うつ病など合併があった場合は、精神障害者手帳からの福祉導入というのを検討することになると思われます。
<補足:成人での「療育手帳」の申請>
ここで補足として、成人での療育手帳・知的障害者の方の手帳の申請ということを見ていきますけれども、成人の方でも知的障害の疑いが強い場合には相談をすることはできます。
具体的には、心身障害者福祉センター、東京でいうと、心身障害者福祉センターに相談をするということになります。
その場合、まずその根拠となる心理検査の結果であったり、あとは幼少期の・子供のころこういう状態でしたよという情報などを持ちまして、この福祉センターでの判定面接ということを受けることになります。
そこで改めて知能検査などをしたり、面接をしたりしまして、その過去のデータなども含めて手帳が該当するかどうかという判断を受けるということになります。
<③:環境調整>
3つ目としては、環境調整になります。不調の多くは、負担がかかりすぎてしまっているという状況から起こりますので、対策としては福祉のサポートを積極的に検討しながらも、負担を減らして生活をできる環境をつくっていくということになります。
ここに関しては、もしかしたら葛藤があるかもしれませんので、いろいろ見学などを行って、「イメージからの葛藤」というところは徐々に整理しながら、そういう福祉的な環境を整えていくというのをやっていただけたらと思います。
<④:薬物療法>
4つ目として薬物療法になります。こういった環境調整などをしていっても、うつ病などが続くという場合は、薬物療法を検討していきます。
うつ病合併であれば抗うつ薬を使うなど、診断や症状に基づいた治療をしていくということになります。
その中で、急な不調というところの対応が重要になるので、不調時の頓服薬を活用する。これは積極的に検討していただけたらと思います。
(8)まとめ
今回は、「大人の知的障害」ということについて見てきました。知的障害はIQ70未満が基準になります、知的機能の全体的な困難さになりまして、成人後に見つかるということもあります。
成人で見つかる場合に関しては、多くは不適応やうつなど精神症状が反復したり、続くという時に気付かれることが多いです。
診断があった後は、できる範囲での福祉的な導入も含めた環境調整をまずやっていきます。そして、その上で必要な場合に、薬の治療・薬物療法を並行していくということになります。
こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)
#大人の知的障害 #知的障害  #精神遅滞 #療育手帳 #境界知能
【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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