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まずはこちらご覧ください。12.54…この数字何の数字か分かりますでしょうか?実は…来年春の就職を目指す高校生の求人倍率です。分かりやすく表しますと…就職を希望する高校生1人に対し12以上の求人があるという状況でまさに「超売り手市場」となっているんです。企業がなぜ今、高校生の採用に力を入れるのか…そしてその若い人材をどう守ろうとしているのか…取材しました。
先月(10月)…新宿区歌舞伎町にあるオフィスビルで来年3月に卒業する高校生の採用面接が行われていました。
面接担当:「あなたの長所を教えてください」「はい、私の長所は何事にも出来る限り挑戦するということです」
9月16日から全国一斉に始まった高校生の採用試験。試験とはいうものの企業側としては新たな人材が集まらない厳しい状況のようです。
荻野佳奈子社長:「本当に採用は年々難易度が上がっていて/なかなか集まらない/かつコロナ禍が開けてお客様が戻ってくるというところで、であればお店を開けるために人手が必要になってくるというところで ダブルで難易度が高まっている」
今回取材したNSグループはカラオケ店のパセラを中心にホテルや飲食店などを手がける企業で、元々、大学生の採用のみでしたが人材確保のため7年前の2016年から高校生の採用を始めました。手ごたえを感じてきた今年、さらに採用枠を増やし力を入れていくと言います。
荻野社長:「今ちょうど7年目に入ってきて高卒で入社した人が店長になったり支配人になったりというケースが出てきて『なれるじゃん』というところ 私たちがむしろ高校生、高卒採用の学生さんの可能性を見くびっていたのかもしれないなと思って もっと期待していきたいという気持ちになってきた」
少子化による人手不足などを背景に企業から注目される高卒採用…。その一方で高卒採用には「ある課題」があります。
厚生労働省が先月公表した取りまとめによりますと高卒で就職した人の3年以内の離職率は37%で、3人に1人以上が就職してもすぐに辞めているという厳しい現状が浮き彫りとなりました。採用してもすぐに辞めてしまう…この問題に対して独自に解決を目指す企業があります。
「こちらの部屋では各企業から集まった入社1年目の高卒社員たちを集めて研修を行っています」
集まっていたのは3月に高校を卒業し様々な企業に就職した入社1年目の新入社員です。
ジンジブ 鶴岡靖晃さん:「相談できる力 これは社会人としては必要な力です みなさん相談できる力を身につけましょう」
高卒採用をサポートしている企業が社会で必要となるスキルなど高校生活だけではあまり知ることができない社会人の基礎を教える勉強会を行っています。さらに、勉強会には高卒社員にとって別のメリットも…。
「職場に若い人が少ない 自分の部署だと一番近くて40代の人 こういう機会があるのは楽しいです」
「恋愛の話ばっかりになっちゃう」大澤「そういう話もなかなか会社の人とはできない?」「全然しないです だからめっちゃ楽しいです」
大卒採用の社員に比べ同世代の同期が少ない高卒採用の社員にとって気軽に相談できる同世代の仲間を増やせることもこの勉強会の長所のようです。
ジンジブ 鶴岡靖晃さん:「自分だけ悩んでいるんじゃないんだ というのが安心になるようだ 人を頼っていいんだよっていうところは伝えたい」
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ここからは取材した大澤記者とお伝えします。求人倍率12.54という数字は本当に驚きですね。
そうですね。大学生の求人倍率がここ数十年、大体2前後で推移していることからもこの数字がいかに異様な数字だというのが分かると思います。色々な企業を取材していますとコロナ禍を超えて今まさに頑張ろうという中で「頑張ってもらう人がいない」という声はよく聞かれます。そこで注目されたのがこの高卒採用なんですね。まさにこの金の卵を狙おうとした結果がこの数字に表れていると言えます。
一方でまだ慣れない社会人としての生活が早期離職にも繋がっているようですが対策はどう考えますか?
早期離職には大きく2つの原因があると言われていて一つは企業とのミスマッチです。これは就職活動の段階で自分にあった企業を選べていないというところから起きます。この点について今回取材したNSグループでは面接前に実際の職場の見学会や働く人との相談の場を設けるなどなるべく企業のことを知ってもらってから面談を行うことにしていて企業の中でミスマッチを減らす取り組みが始まっているようです。
そして早期離職の原因の2つ目は慣れない社会人生活でやる気を失ってしまうという問題です。今回取材した高卒社員に向けた勉強会はこうした悩みを解決する一つの形だと感じましたし会社を超えた仲間と楽しそうに参加する様子を見て取り組みの効果を実感しました。そして一つ大事なのは、そもそも離職自体が絶対的に悪いというものでもありません。社会がめまぐるしく変化する中で自分が今どんな形で働くべきか色々と模索していき前向きに離職を選択することは若いからこそできる重要な選択だとも思います。
これから少子化がさらに加速する中で若い力をどうサポートするのか…取り組みは今後さらに広がりをみせそうです。取材した大澤記者とお伝えしました。