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日本列島人(ヤポネシア人)の起源と成立を詳細に調べる「ヤポネシアゲノム」研究を進めています。ヤポネシアとは、作家島尾敏雄が1960年代に提唱したことばです。旧石器時代から縄文時代を通じてヤポネシアに渡来した採集狩猟民のあとに、弥生時代以降水田稲作農耕を持ち込んだ農耕民という2種類の人々がおり、ヤポネシアの北と南ではそれぞれアイヌ人とオキナワ人が前者の遺伝子を色濃く残した一方、ヤポネシアの中央部では農耕民の遺伝子が多量に伝わったヤマト人が存在するという埴原和郎の「二重構造モデル」が現在の定説です。このモデルは現代人と縄文時代人、特に礼文島船泊遺跡出土の女性のゲノムデータから支持されました。しかし、篠田謙一ら研究グループは、朝鮮半島南部で5000年ほど前に居住していた人々の古代DNAに、縄文人のゲノムが10%ほど含まれていることを発見しました。また船泊遺跡の縄文人は台湾原住民のゲノムともかなり共通性がありました。このことは、縄文人がヤポネシアだけでなく、東アジアの沿岸部・島嶼部に広く分布していた可能性を示唆しています。本講演では、ゲノムだけでなく、日本語と琉球語の系統関係についても、私たちの解析結果をご紹介しました。
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Affinity of populations in Japanese Archipelago and its surrounding area viewed from genome analyses l SAITOU NARUYA(Population Genetics Laboratory, National Institute of Genetics)
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