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皮膚が剥がれ落ちる難病「魚鱗癬」。この病気や偏見と闘う梅本遼くんをRKBは20年以上取材してきました。遼さんはいま27歳、理解してくれる人に出会い先日結婚しました。魚鱗癬の患者として結婚した遼さん、仲間たちへの力強いメッセージです。
◆「国指定の難病」全国に300人
元気に広場で遊ぶ、子供たち。彼らは「魚鱗癬」という病気と闘っています。遺伝子異常により、皮膚が乾燥して剥がれ落ちたり、皮膚が赤くなったり、指が変形したりする国指定の難病です。かゆみを生じ、体温調節もうまくできないため、こまめに水分補給をしなければなりません。幼い子供たちの面倒を見ている梅本遼さんも、この病気と向き合っています。魚鱗癬の患者は全国に約300人いる、と言われています。他の人にうつることはありませんが、見た目の印象が強いため、遼さんもこれまで多くの偏見にさらされてきました。
◆「彼女です」「本当に?」驚く仲間たち
しかし、2022年の交流会で――。
遼さん「彼女です」
参加者「また恐ろしいことが。いきなりきたね~、ぶっこんできたね~」「本当に? 本当に?」
初めて彼女ができたことを報告し、参加者たちを驚かせました。
◆母親「これまで想像もしなかった」息子の結婚
そして遼さんは2023年3月、彼女だった桃香さんと結婚したのです。現在は、遼さんの母・千鶴さんと3人で暮らしています。桃香さんに家庭の味を教えている千鶴さんは「これまでは想像もしなかったこと」と話します。
梅本千鶴さん「私は遼の面倒をずっと一生みらんといけんのやね、って思ってたもんね。普通の男の人として見てくれているのは、すごいうれしいですよね」
妻・桃香さん「作業しながら、初めてのことをお母さんと話すことが楽しいから、お母さんと仲良くなれるいいきっかけに」
梅本遼さん「(結婚した)実感がある感じ。なんかうまく言えないけど」
◆二人で手をつないで
魚鱗癬の患者である遼さん。大人になっても、皮膚が剥がれやすいという特性は変わりません。桃香さんは一日に何度も掃除機をかけることもあるそうです。
桃香さん「最初は『掃除が大変だな』って思っていました。何回もかけないといけないから。たまに血が混ざっていたりしたら、体調が悪いということがわかりました」
2人が大切にしているのが、週末の散歩の時間です。
Q.ちゃんと手をつないで歩くんですね。
遼さん「あ、そうそう」
桃香さん「電車でもバスでもモノレールでも、いつもつないでくれます。最初はつなぎにくくて、どこに手を挟んだらいいかわからなかったです」
Q.今はポジションができた?
桃香さん「そうです。毎日のことだから馴染みます」
◆子供が発症したら… 妻・桃香さんの気持ち
桃香さんと出会い、想像もしなかった時間を過ごすことができています。
一方で、結婚を前に考えたことがあります。
遼さん「子供に50%の確率で同じ病気ができること。自分のことは1から10まで説明できるし、一緒に生活していく中で理解はしてくれるだろうけど」
桃香さん「遺伝するんだなって、ショックではありました。病気の辛さは二度と味わって欲しくない。一番大事なことは、その子が生きにくくないように感じることだと思ったので、別に優先的にそこ(発症するかどうか)が大事ではない」
◆契約社員として働く夫・遼さん
遼さんは1月から、北九州市門司区にある物流会社の契約社員として、庶務の仕事をしています。
上司の兼光誠治朗さん「まず、病気自体を我々がよくわかっていなかったんですけど、体調管理や室内の温度などはちょっと気を付けないといけないかな、と思っています。今後はもっと仕事を覚えてもらって、独り立ちしてしっかりやってもらえるようになってほしい。プレッシャー?」
遼さん「いや、プレッシャーに感じないようにします(笑)」
遼さんの現在の収入は、給料と障害年金、北九州市の特別障害手当を合わせて、約20万円程度。結婚に踏み切れたのは、収入の安定もありました。
遼さん「(社会参加できることは)大きいですね。いろんな人に関われるし、いろんな話を聞けるし。楽しいですよ、今」
◆貴重な情報交換の場「魚鱗癬の会」
1年ぶりに開催された魚鱗癬の会です。参加したのは14家族と医療従事者など約50人。交流会は、普段の生活では話せないことや聞けないことなどについて、仲間同士で情報交換を行う貴重な機会です。
「これ、本当におすすめ」
「いいですね! こんないい情報を」
母親たちが話していたのは、子供の指の変形に対応した装具についてです。
早川亜希子さん「手がどうしても皮膚に引っ張られて、指先が硬くなってしまうんで。手が丸くなってきて変形してきちゃうのを押さえて、指先を伸ばして手の変形を防ぐ装具です。小さいうちにやっていけば、やっぱり生活の質、鉛筆の持ち方とかスプーンを持てるようになると、学校生活も本人が楽しくなるんで……学校楽しいんだよね?」
子供「学校楽しい」
◆プロポーズの様子を披露宴で“自白”
有意義な情報交換を済ませた後、ビッグイベントが用意されていました。
「それでは、新郎・新婦ご入場です」
遼さんと桃香...