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「未来コンビニ」と名付けられたコンビニエンスストアが山奥にある。
徳島市街から車で約2時間半。高知との県境に位置する徳島県那賀町の木頭地区は周りを山に囲まれ、約1千人が暮らす。
コンビニは「世界一美しい」をコンセプトに令和2年にオープン。店内は特産品「木頭ゆず」の木をイメージした黄色い柱が連なり、日が暮れると大きい窓から漏れ出した明かりが集落を照らす。
同地区から最寄りのスーパーまでは車で1時間ほどかかる。コンビニは開店後、すぐに「買い物難民」になりがちな高齢者らの拠り所となった。
地域の子供たちが買い物を楽しめるように商品棚の背は低く、通路も広い。カフェスペースは、世代を超えた交流ができ、大事な子供たちが家庭や学校以外の場で刺激を受けてほしいと設置された。
人気商品は魚や肉などの生鮮品。畑仕事の糖分補給にアイスクリームやお菓子、バナナを買っていく人も多いという。
木頭出身の経営者、藤田恭嗣氏が立ち上げた会社「KITO DESIGN HOLDINGS」がコンビニを運営する。ほかにも特産品ゆずの栽培や加工、廃業したキャンプ場再生などビジネスを手がけ、雇用も生み出している。
「未来」と冠したが、コンビニに最先端の技術が用いられているわけではない。
子供たちの、そして地域の未来を照らし続けたい。
そんな思いが込められている。
(写真報道局 鴨川一也)