浅川マキ「二人の女のうた」(1977) Maki Asakawa

浅川マキ、5thアルバム『流れを渡る』（1977年）より。2003年刊のエッセイ集『こんな風に過ぎて行くのなら』では、マヘリア・ジャクソンとビリー・ホリディについて語っている。

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1977年、アルバム『流れを渡る』発売に伴って、NHK-FMで浅川マキのDJでライブ録音を含めた番組が放送された。その中でこの「二人の女のうた」もかけられたのだが、曲中の歌詞「麻薬」がNHKのコードに引っ掛かり、音を歪ませて聞き取れない処理をされていた。それを知らずラジカセで録音しながら聴いていた私は、なんとアバンギャルドなかっこいい歌だろうと勘違いした。レコードを買って、あれは伏字ならぬ、「伏音」だったのを知ってびっくりした。いや、かっこいい歌はそのままなんだけど。当時、オリジナルの日本語の歌詞をここまでジャズに昇華した歌はなかったように思う。