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東京日比谷にある日本料理店"龍吟"のスタッフ資料として作成されている料理VTRのコレクション
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日本料理の定番 魚の味噌漬けの炭火焼を、龍吟メソッドで紹介する。ここでは最も味噌漬けとしてなじみの深い鰆を用いて、ガストロノミーとしてのプロセスの完成度を紹介する。
通常味噌漬けでは、魚の身に対して味や香りを付けることによって、生臭さを抑え、風味豊かに仕上げる効果を期待できるが、どうしても焼く際に焦げやすく、弱火で炙ると身の水分が味噌漬け時に脱水して、少なくなっている分、よりかたく、締まった食感になることが多い。
鰆の皮は炭火で焼いてもあまり美味しいものとは思えず、ここでは皮は使わない。
鰆はサクのまま味噌漬けにして串を打ち、素晴らしい香りの柚子オイルの中で一時適温加熱をする。この段階で魚の加熱の、90%を適温条件下で仕上げる。身の中の水分が乾燥せず、ジューシーであり柚子の香りを移しながら、表面から中心まで全て同じ柔らかさで、全く身を締まらせずに、熱を通すことができる。
ベストな火入れをまず作り上げ、そこから炭火を用いる事とする。皮のパリッとした食感がない分、それを後から本来の皮より美味しく、作り上げてしまう。
まずオイルを拭き取り、皮をはがした面に卵白を塗ってリ・スフレをまんべんなく、くっつける。両面を一気に炭火の強火で炙り、煙を上げて炭の香りを付けながら、香ばしさとサクサクの食感を作り上げる。リ・スフレで作った皮目にブレンドしてバランスを整えた黒酢を打ち、深いコクのある香ばしい酸味を纏わせる。
始めから全て炭火で、焦げつかさないように、このポーションを グラデーションを作らずにベストな火入れにもっていく事は現場・サービス上、不可能であり、従来の味噌漬けは多少しまった食感が当たり前のようになっている事を覆すプロセスを、ここでは紹介した。
あらゆる魚で、このプロセスは実践でき、皮を残す魚にも もちろん使え、日本料理では決して明確に語られない、火入れによる美味しさへの影響が、どのくらい大きいものであるかを知ることとなる。
魚も肉も煮物の野菜も、ベストな状態の火入れのイメージと追及が、日本料理の確実な進歩につながるのである。
日本料理の基本技術と伝えられているものがテクニックにおいて、本当に、本当にこれでいいのか、今、自分の目の前のものが、これで完璧なのかと問いただし、火入れの状態にしても、火が通っていればいい・・・炊けていればいいというのは、我々の中では料理と認めることは出来ない。
料理とは、理(ことわり)を料(はかる)ものでなくてはならないと定めているからだ。
味噌漬けに関して言えば、このプロセスを用いている限り、炭火での火入れ効果は表面だけで充分であると、我々は考えている。
ここでは、シェフ山本の秋のスペシャリテ 松茸の黒酢焼を贅沢に添えてみた。