英語の車内放送で、直通列車の旨、案内をするときに、JR東日本と東武鉄道とでは、表現のしかたが、全く違っている。 (JR東日本の場合) This is the local train bound for Atami thru service to the Ueno-Tokyo Line. (この電車は、上野東京ライン・普通列車・熱海行きです。) (東武鉄道の場合) This is the Hanzomon Subway Line and the Tokyu Den-en-toshi Line direction service, Express bound for Chuo-rinkan. (この電車は、地下鉄半蔵門線・東急田園都市線直通、急行中央林間行きです。) ※JR東日本の場合、直通先の路線名を後ろに持って来て、「thru service to~」という表現を使っている。 それに対して、東武鉄道の場合、列車の種別・行き先を後ろに持って来て、「直通先の路線名の方向に向かう列車」という意味の、「direction service」という表現をしている。 ※この差は、鉄道会社の運行地域の範囲の差に、起因しているかと思います。 JR東日本の場合、北は青森県から、南は静岡県の一部や千葉県までと、営業範囲が広くなっています。 案内放送は、音速で、発信源から乗客に届きます。 この音速は、気温が下がると、低下する傾向を持っています。 ゆえに、寒い時期に、寒い地域で、誤乗防止の意味も込みで、案内放送をするには、行先→種別→直通先の路線名としないと、いけなくなります。 (実際、JR北海道の駅構内の放送の順序は、行先→種別です。) それに対して、東武鉄道の営業範囲は、どんなに遠くても、栃木県や、群馬県の南部までです。 しかも、中央林間~久喜または南栗橋間を直通する列車の走行範囲は、どんなに真冬でも、東北地方並みの大雪が降ることは、まずありません。 むしろ、誤乗により、最悪の場合、例えば、埼玉~神奈川またはその逆という、「えらく遠いところ」に行ってしまうリスクが高くなります。 そういった話にしないよう、直通先の路線名を先に言う、案内放送にしているのかもしれません。