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このビデオは 初めての方でも日本画が描けるように解説してみました。
日本画は難しい。お金がかかる。面倒臭いと思っている方へ。
もちろん、時間をかけてお金をかけて、手間をかけて描くこともそれはそれとして面白いですが、
簡単に描くこともできます。
まずは簡単に日本画の世界に入っていって欲しいと思ってこのビデオを作ってみました。この休みを機会に描き始めてみませんか。
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<声の解説の入ったリンクはこちらです>
• 誰でも描ける初心者のための日本画講座2020...
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<以下、文字データを掲載します。足りない部分はコメント欄に入れます。>
用意するもの 岩絵具(必要な色、結構値段が高いので必要な色を少しづつ買い足していって下さい。)
チューブ絵具(これは12色あれば重宝します。水彩絵の具と同じように使えます。)
墨(硯ですることをお勧めしますが、なければ墨汁でも構いません。)
「膠」 (通常は固形のものを鍋等でたいて使いますが、手間が大変なので、液体のものが市販で売られています。)
左から二番目が液体の膠(防腐剤が入っているので腐らないので便利)、一番右がドーサ液(膠に明礬を入れて作りますが、これも市販されています。)さらに、右から2番目レジンドーサ(ドーサ液は酸性ですが、中性なので紙を痛めません。)この辺は、今、使いやすいメディウム(接着剤)がいろいろ売られているので使ってみてください。 一番左がアクリルの下地材、白のジェッソになります。
ボールペン(水性顔料を選んでください。油性染料は避けましょう。僕はペンテルのハイブリッドや三菱のシグノを使っています。)鉛筆、カッター
筆は 左から刷毛、(今回は水を塗る時、ドーサを塗る時に使います。)塗り刷毛(絵具を塗るときに使います。)、平筆、面相筆(線を描いたり、細かなところを描きます。)、彩色もしくは付け立て(彩色とぼかすときに使います。)
梅皿、皿(百均にも売っています。)プラスチック容器(豆腐の容器は便利です。ジェッソなど使って捨てられます。)
銀箔とシッカロール(箔を押す工程は、いろいろあるので、今日は簡易な方法です。)
落款(消しゴムで落款作りは最後に付録でつけています。参考にして下さい。) 金泥(なくても問題ありません。お好みで。)
それでは早速描いてゆきましょう。
今日はスズランを描きます。まず、良い角度を選びます。どの角度から見るとすずらんが美しく見えるか。
角度が決まったらスケッチをとります。今回は「写真」を使って下図を描きますが、まずは観察することが大切ですので、できたらスケッチをとりましょう。花はどんな付き方をしているか、葉っぱの曲線は。葉っぱの色は。奥行きはどうなっているかなどなど。今回はパスしても良いですが、スケッチが大切ということは覚えていていただければと思います。
スケッチは下描きをしないで、直接絵具で描いてゆきます。簡単で構いませんから観察しながら描いてみましょう。
色でざっくりと捉えたら、今度は花や葉っぱの形「線」に注目しながら描いてゆきましょう。
スケッチは、ざっくりとした雰囲気と大きな動きが掴めていればOKです。
紙を用意しましよう。日本画でよく用いられるのは雲肌麻紙、土佐(高知)麻紙、鳥の子、楮紙などです。どれでも構いませんが、画仙紙などは弱いので、厚手のものを使います。今回は土佐麻紙の3号の大きさで描きました。
和紙に「下図」を写します。日本画では「スケッチ」から「下小図」、さらに「大下図」を作って、トレースするのが一般的ですが、今回は「誰でも描ける」ということなので、写真をトレースします。ただし、このときに、必要のないものは描かないように、決めておいてください。例えば植木鉢の縁とか、背景に映り込んでいるものとか。写真を普通紙に印刷し、(この場合はA4)和紙の裏に貼り付けます。その際、表側が表になるようにマスキングテープなどで止めます。さらに、それを窓に貼り付けます。
4Bか2Bくらいの柔らかめの鉛筆で黒いところ、暗いところを写してゆきます。あくまで、大まかな形を捉えるためのものなので、強く描かないでください。見えにくいところは時々、めくりながら描いてゆきます。
鉛筆の下描きが終わったら、一回水を全体に塗ります。ペンのつきが良くなります。
先ほどは、明暗を描いてゆきましたが、今度は「線」を意識しながら描いてゆきましょう。
他は、はしょっても、ここだけは頑張って欲しいところです。それは、「線」をしっかり「とらえる」ということです。ちなみに、線というと、左の図のように、画像の周りを取り巻く「(輪郭)線」をイメージしてしまいがちですが、そうではなくて、この花や植物の動きを表す「線」です。具体的には、花が付け根から先端に向かって伸びている線。花の持つ生命力とかエネルギーの向きのようなものです。それを意識しながら描くと生き生きとした生命力が出てきます。
影をつけるときにも、エネルギの向きに沿って描きます。
線だけでも植物の生き生きとした感じが伝わると良いですね。
ペンは乾くのに半日から一日はかかりますので、しっかり乾いてから作業します。
まず、影を墨でもう少し深くしてやりましょう。
画面上の方を明るくして、下の方は少し暗くしてやります。
一般的には、ここで胡粉を塗りますが、無理して塗らなくても大丈夫です。紙の白だけでも十分発色しますし、この後、ハイライトには白のジェッソを塗ります。
乾燥。時間がない時はドライヤーも使います。
それではチューブ絵具で色をつけてゆきます。チューブ絵具はドーサを引かないで紙に「染み込ませる」ように色をつけてゆきます。全体に葉っぱの緑を塗ります。花をクローズアップしたいので、花以外は全体を緑で塗ります。
花の周りは水でぼかします。
葉っぱに黄色を入れます。緑が乾いていない状態でぼかしながら染み込ませてゆきます。
影の部分には、紫を塗ってやります。一度乾かしてから何度か塗ります。濡れている時は、色が混ざりますから、適度に混ざりながら乾かし、もう一度同じことを繰り返すことで、色がだんだん深くなってゆきます。
白い方を白くするというよりも、暗い方を暗くすることで明るいところが明るく見えてきます。まだ、胡粉は使っていません。
スケッチと写真と絵具で描いた絵を比べると、それぞれの違いがわかります。
まだ岩絵具を使っていませんが、だいぶ色の強さが出てきました。
このまま4号のパネルに貼っても構いませんが、ちょっと今回は日本画を「オブジェ」っぽくするために、丸く切り取ることにしました。ペンの後ろ側で軽く跡をつけてやります。
なるべく円に近い形にすることに決めて、形を取ったら、跡をつけ、水でその上をなぞります。そうすると、水がついているところが弱くなって、引っ張るとそこから切り取れます。これを「くいさき」と言います。(どんな形でも自由です。ハートマークとか楕円形とか三角形とか絵の内容を見ながら好きな形にしてください。)
この段階でドーサを引きます。膠に明礬を少し入れて作っても良いし、市販のもので構いません。レジンドーサという中性のものを使用しても構いません。ドーサは、紙の保管状況によって、たまに効かないこともありますが、レジンドーサはそういう心配がなくお勧めです。
ドーサは 表2回、裏1回。塗って乾かしを繰り返します。
スチレンボードに和紙を貼り付けます。スチレンボード(百均にもあります。なければ厚紙でも構いません。)を和紙より少し小さめに切り取ります。それに張りますが、和紙とスチレンボードの間に一枚紙を入れます。(面倒な人は入れなくてそのまま貼っても構いません。)紙を貼った場合は、シワにならないよう、端から空気を抜きながら貼ってゆきます。貼った紙のいらない部分を切り落とします。
絵を描いた和紙をそれに張り込みますが、「しょうふのり」がベストですが、なければ「ヤマトのり」を使います。ノリを水で薄めてパネルと和紙の両方に塗ります。
シワができないよう伸ばしながら張ります。これらの作業が大変そうなら、F4号の木製パネルに張り込んでください。通常の額縁に入れれば問題ありません。
アクリルの下地材、白のジェッソで明るい部分を描き起こしてゆきます。(なければ胡粉でも可)面相筆などで丁寧に起こしてください。陰をとるのと逆に、明るい部分を描いてゆきます。そうすると、画面にメリハリができてきます。必ず、写真やスケッチをもう一度観察しながら描いてください。
明るいコントラストができることで、形がしっかりと見えてきます。
次は、岩絵具で色の仕上げです。岩絵具を梅皿に出して、同量の膠を加えて中指でよく混ぜます。岩絵具はメディウム(接着剤)が混ざっていないので、膠を混ぜて溶いてください。膠も現在は三千本とか鹿膠のような固形のものを溶かさなくても液体のものが売られています。それで十分です。また、最近はアートグルーのような樹脂系のものも出ています。そういうものを使っても構いません。取り扱いが楽です。
岩絵具は、ひと色かけてやる感じで、あまりゴテゴテ塗らないようにしましょう。物質感が強いので、塗ってやることで宝石のような存在感が出てきますが、べったり塗りすぎると、今まで描いた形や陰影がなくなってしまい空気感がなくなってしまいます。
水を足す時は、必ず膠で溶いた後に、水を足してください。また、塗る時は彩色筆などで塗ったら、すぐに別の水のついた筆でぼかしてやります。自然なぼかしができます。隈取り筆というぼかし専用の筆もありますが、なければ、「先のちびた」筆の先をハサミで切ってもいいですし、普通の筆でも構いません。
先ほど白のジェッソで描いたところは、必ず、白をそのまま残さず、ひと色かけてください。(白いところ以外)
白いスズランの花も胡粉の白を薄くかけてやりましょう。花の周りがボケたように見えるのは、周りの緑を塗らないで、周りに少し白を残しているからです。花の周りはぴったりと詰めて塗らないで、残したくらいの方が花がふわりと浮き出てきます。
細い茎の部分などは、チューブ絵具の方が塗りやすいと思います。しっかりと描いてあげましょう。
これで大体完成です。群生するスズランの葉っぱの中にスズランの花の存在感が浮きたって見えてくれば良いと思います。
箔を押すためのマスキング(覆い)をします。透明のビニールのシートならなんでも構いません。クリアーファイルとかでも大丈夫です。箔をおしたいところの上にのっけて張りたい部分を黒のマーカーとかで描きます。あまり細かい線は無視しても構いません。箔の上から描けます。(ちなみに箔は貼ると言わないで押すと言います)
その部分をカッターなどで切り落とします。
できたシートを画面にのっけたら膠を塗ります。塗って乾かして2回繰り返します。
3回目、膠を塗ったら、箔を押します。箔と箔の間に和紙が挟まっていますが、和紙と箔は一緒にとりあげます。箔だけでは持ち上げられません。ここでも、正式には箔あかしの方法がありますが、簡易な方法で行います。和紙の上から、面相筆で水をつけて、バッテンと丸を描きます。これで、箔と和紙がくっつきます。その状態で一緒に持ち上げますが、やはり箔ハサミという道具がありますが、数枚なら指で持ち上げるのも簡単です。その際に、指に箔がつかないように、シッカロールをつけておきます。ない時は胡粉でもできなくはありません。要は粉状のものを指につけておけば、くっつきません。持ち上げたら、そっと画面にのせて上から軽く布で押さえます。足りないところへも補います。細かい部分は指で箔を摘み上げて移動しても大丈夫です。できたら、そのまま、1時間ほど置いておきます。