PCエンジン版イースIVと同時期に「イース SPECIAL COLLETCTION ALL ABOUT FALCOM」というビデオが販売されて、そこでイースVが開発中であることが明かされた。『イースIV冒険ガイドブック』の社長インタビューでも触れられており、93年の段階では開発ハードは決まっていなかった。 ファルコムという会社は小規模であるがゆえに、どうしても新しい挑戦をあまりせずに過去作の成功例を引用したがる傾向がある。(例えばザナドゥと関係ない新作に東亰ザナドゥとタイトル付けしたりなど) 93年当時は、PCエンジン版IVをファルコム自身が公認し評価していたし、VもI、II、IVと同じく古代王国ものとなるのは仕方がなかったのかもしれない。しかし、ここまで来ると古代王国ネタは完全に出がらしのようなネタになっていたし、実際、ストーリーは原案も含めても、それほど印象的なものではなかった。 ただ、2020年代である現在においては、そういう古代王国ネタが少なくなったし、今となっては逆に受ける要素なのかも?と思ったりもする。 Vについてはパソコンゲーム雑誌での常連イースイラスト投稿者だった岩崎美奈子氏が、ファルコム社員としてイラスト周りを手掛けたことについても触れておきたい。 VIに関しては、I・IIのエターナル版が成功した勢いにも乗った感があり、売り方としてはうまかった。リメイク路線を続けてきた当時のファルコムの上層部はIIIリメイクの開発を求めたそうだけど、それを断ってVI制作を要望した開発陣には拍手を送りたい。 「新生イース」を掲げたように、一新されたアクションシステムは面白く、またストーリー面は物足らないと言われがちだけど、過去作の設定をまとめたりと、よくやった感の方が強い。個人的には名作の部類に入る一作だったりする。 ここからナンバリングタイトルはVIIIまで名作だと思っている。III~Vと暗中模索してきたことを考えると感慨深いものもある。