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みんテレ子育てウイーク「すくすく」
みなさんとさまざまな角度から、北海道の子育てについて考えていきたいと思います。
第1回は「札幌市の子育て事情」。
子育て支援が充実する反面、出生率が低い原因に迫ります。
札幌市東区の「サッポロさとらんど」に、2022年10月オープンした市内最大級の無料キッズコーナー。
テーマは「食育と木育」です。
札幌市農政課 石堂 光さん:「遊びを通して気楽に食や木に親しめることがテーマ」
床や家具、おもちゃなど全て木が利用されています。
「おままごとコーナー」には約50種類、あわせて500個のアイテムがそろい無料で楽しむことができます。
利用者:「よく子育てサロンを利用している。すごく便利で助かる。家だと飽きてしまうので」
利用者:「毎月のように来ている。朝早くから夕方までやっているので、子どものリズムに合わせていつでも来られるのが助かっている」
週末には大勢の子どもたちでにぎわうキッズコーナー。
札幌市はこうした子育て支援を年々充実させてきました。
4月1日に開設された子育て支援施設「ちあふる中央」。
保育所としてだけでなく、子育てサロンなどさまざまな支援を併せ持った施設です。
さらに、札幌市はコロナ禍で外出できない人のために情報発信する「さっぽろ子育てきずなメール」を配信しています。
札幌市子ども未来局 西山 滉一さん:「『きずなメール』は子育てアプリから切れ目なく情報発信を行うもの」
「さっぽろ子育てアプリ」の利用者に配信されるもので、妊娠期から出産100日まで子どもの成長に応じた情報や、札幌市の子育て支援の情報が毎日届けられます。
札幌市子ども未来局 西山 滉一さん:「札幌市には転勤で来る人もいるので、周りに頼れる人がいない場合かなり有効で大切なものになると思う」
開始から2年半で累計3万5000人以上が利用しています。
待機児童ゼロを達成するなど、子育て支援に力を入れてきた札幌市。
全国の主要な165市区の子育て支援の調査で2021年は112位でしたが、2022年は31位と順位を上げています。しかし…。
札幌市まちづくり政策局 中本 和弥 課長:「子どもを産みたいけれど、産めない市民がいる。非常に危機的な状況。このままだと街が消滅してしまう」
子育て支援が充実していても、子どもを産むことができない現実。
背景には札幌市の産業構造がありました。
札幌市の合計特殊出生率は1.08。
全国平均の1.30よりも低く、政令指定都市の中で最低水準となっています。
札幌市まちづくり政策局 中本 和弥 課長:「市民へのアンケート調査の結果、希望の出生率は1.65。実際の合計特殊出生率1.08との乖離が、子どもを産みたいけれど産めない市民がいるということ」
産みたいと希望する子どもの人数と、実際に出産する人数のギャップは0.57。
この差の原因は何なのでしょうか。子育て世代に聞いてみました。
札幌市民:「経済的に不自由をさせたくない。2人目以降には我慢させてしまうことも出てくると思う」
札幌市民:「周りは共働きが多い。働いて子どもを産んで、次の子が保育園に入れなかったらどうしようという不安は残る」
札幌市民:「30代後半で1人目を出産したので、体力的にきつい部分がかなりある。私の体力が低下するとともに、子どもの体力は上昇する」
経済的側面や共働きに伴う保育園の問題、晩婚化などがあげられました。
札幌市では、札幌特有の産業構造が影響していると分析しています。
札幌市まちづくり政策局 中本 和弥 課長:「産業構造上3次産業、サービス産業が多い背景がある。"支店経済"と言われるように、東京の企業が支店を出して、その中で経済が循環。専門性の高い男性が自分の能力を生かしたいとなると、稼ぐ金額は首都圏の方が魅力が大きい傾向がある」
地方には女性の働く場が少ないため、北海道の各市町村から札幌市へ女性が職を求めてやって来ます。
一方、男性は専門性のある仕事を求めて北海道外に出てしまうケースも多く、札幌市の人口比は、女性100に対し男性87と女性が多くなっているのです。
パートナーエージェント 広報 平田 恵さん:「札幌市の場合、本当に女性がとても多い」
13都道府県に展開する結婚相談所によると、札幌市は他都市と比べて女性の会員数が非常に多いといいます。さらに特徴的なのが…
パートナーエージェント 広報 平田 恵さん:「大阪などは20代が非常に増えてきているが、札幌市では30代半ばの人の割合が一番多い」
札幌市は市民1人当たりの所得は、政令指定都市の中では低くなっています。
非正規雇用や長時間労働の多さが指摘されるなど、産業構造のもろさが希望する人数の子どもを産めない理由になっているといいます。
札幌市まちづくり政策局 中本 和弥 課長:「子育て支援が拡充するのはもちろん、経済的に企業が稼ぐ力を高める環境を行政が整える必要がある」
人口減少局面に入った札幌市は今後どうあるべきか。
人口問題に詳しい、札幌市立大学の原俊彦名誉教授に聞きました。
札幌市立大学 原 俊彦 名誉教授:「子育て支援も結婚支援も人口を減らさないとか、子どもの数を増やすという発想でやらないほうがいい。これだけ結婚して子どもを産む人が減る時代に、あえて試みるわけだから、そういう人を応援する立場に立つべき」
いかに安心して子育てをできる街にしていくのか?
個別の子育て支援だけでなく、札幌の街全体が変化を求められています。