武士道Bushido100(497)

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BushidoRenaissance64

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(497)武士道Bushido100「武士道ルネサンス」
「『孫子』
生き抜くための智略がある
戦わずして勝つ――――それが最上の策である
湯浅邦弘 大阪大学大学院教授  NHK『100分de名著』より抜萃  No.3
2.戦わずして勝つ!                     」武士道ルネサンス
常山紫陽花 Nocturne
・「●戦う前に戦力をポイント化
戦わずして勝つ。そのためには、安易に戦いを始めないことが重要です。では、開戦に慎重を期すためには、どうすればよいのでしょうか。
この点について、『孫子』は『廟算(びょうさん)』における分析の大切さを説いています。廟算とは御前会議のことです。歴代の王の御霊が祀(まつ)ってある廟と呼ばれる建物に、国家の首脳が集まり会議をします。その際、『五事七計』と言われる、最も重要な5つの指標と、さらに具体的な7つの指標について分析し、敵と味方の戦力差をポイント化していくのです。
故(ゆえ)に之(これ)を経(はか)るに五事を以(もっ)てし、之を校(くら)ぶるに計を以てして、其の情を索(もと)む。一に曰(いわ)く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法。(1 計篇)
(だから、5つの事柄でよくよく検討し、〔7つの〕計で比較分析し、敵味方の実情を求めるのである。軍事を検討する場合の最重要の指標である『五事』とは、『道』『天』『地』『将』『法』の5つである。)
『道』とは、民の気持ちを為政者に同化させることができるような、政治の正しいあり方を指します。これが実現できていれば、民と為政者は戦争においても気持ちを一つにして戦うことができます。『天』とは、明るさや暗さ、暑さ寒さなどの自然条件、『地』とは、戦場に関する地理を指します。『将』は軍を統括する将軍の能力、『法』は軍の指揮系統や賞罰など、軍を運営するための各種規則を指しています。
続いて『七計』の内容です。
曰く、主(しゅ)孰(いず)れか道有る。将孰れか能有る。天地(てんち)孰れか得たる。法令孰れか行わる。兵衆(へいしゅう)孰れか強き。士卒(しそつ)孰れか練(ね)れる。賞罰孰れか明らかなる。吾(わ)れ此(これ)を以て勝負を知る。(1 計篇)
(次に、より具体的な比較の指標としてあげられるのが『七計』である。敵と味方で君『主』はどちらがすぐれているか、どちらの『将』軍が有能であるか、『天地』の自然条件はどちらに有利か、『法令』はどちらがきちんと行なわれているか、『兵衆』すなわち軍隊はどちらが強いか、個々の『士卒』はどちらがよく熟練しているか、軍功に対応する『賞罰』はどちらがより明確にされているか。私〔孫武〕はこれらによって、実際の戦闘が行なわれる前に勝敗を知ることができるのである。)
『孫子』は、これらの項目の一つ一つについて、敵軍と自軍の状況を比較せよと言っています。そして、獲得ポイントが多い方が勝ちになるというのです。
このときに決してやってはいけないことは、主観を交えること、また予断を差し挟むことです。客観的にポイントを比較しているさなかに、『いや、神風が吹くだろう』『あとは気力でカバーしよう』などと言ってはいけないのです。
日本が先の戦争を始めたとき、自国とアメリカの軍事力や経済力について、事前に比較検討が行なわれたそうです。結果は、アメリカの方が数十倍、力が大きかった。つまり、その段階で結果はほぼ目に見えていたのです。にもかかわらず、日本は開戦に踏み切ってしまったのです。
『孫子』は、その意味では徹底して合理主義です。当時の戦争では、戦う前に必ず、勝敗についての占いが行なわれました。『孫子』は、そうした占いも一切排除しています。あらゆる面で客観的な指標を用い、勝敗を分析する。だからこそ、戦う前に自ずと勝敗は明らかになるというのです。
『五事七計』は軍事のみならず、現代のあらゆる組織活動にとっても重要な判断材料になると言えるでしょう。
●自軍も敵軍も保全して勝つ
戦わずして勝つことがベストとは言え、やむを得ず戦闘に入ってしまうこともあります。そうした場合、どのように勝つことが最も望ましいのでしょうか。
『孫子』はこう述べています。
孫子曰く、凡(およ)そ用兵の法は、国(くに)を全(まっと)うするを上(じょう)と為(な)し、国を破(やぶ)るは之に次(つ)ぐ。(3 謀攻篇)
(孫子は言う。およそ軍隊を運用する際の原則は、敵国を保全したまま勝利するのを最上の策とし、敵国を撃破して勝利するのは次善の策である。)
せっかく戦いに勝ったとしても、敵国が壊滅状態だったり、激しい戦闘を行なったため敵軍も自軍もヘトヘトに疲れて立ち上がれなかったりという状態では、勝利した意味がないというのです。敵国を徹底的に破壊してしまった場合、仮にそれを自国の領土に編入しても、使い物にはならないでしょう。人もいない、町もないということでは、勝った意味がないのではないか。『孫子』はこう主張しているのです。
敵国の政治、経済、文化、人民をそっくりそのまま手に入れることがベストな勝ち方である。これは、『戦わずして勝つ』ことを最上とした、『孫子』の合理主義に通じるものと言えるでしょう。
また、同じ謀攻篇の中でこうも述べています。
故に上兵(じょうへい)は謀(ぼう)を伐(う)ち、其の次は交(こう)を伐ち、其の次は兵を伐ち、其の下(げ)は城(しろ)を攻む。(3 謀攻篇)
(だから、最上の軍隊のあり方というのは、敵の謀略を見抜いてそれを未然に打ち破ることであり、その次は、敵国と同盟国との外交関係を分断することであり、その次は、敵の野戦軍を撃破することであり、最も下手なのは、敵の城を攻撃することである。)
最上の勝ち方とは、スパイの画策や謀略によって勝敗を決することである。これはまさに、『戦わずして勝つ』の極意だと言えます。2番目は、目に見える外交交渉で決着をつける。これも武力は使いません。ようやく3番目、それでもやむを得ない場合は、兵力をもって交戦する。1番下手な戦いとは、相手が籠っている城を攻めることだと言います。
古代中国の街は『内城外郭』といい、四角い城壁の中に都市や村がある城塞(じょうさい)都市でした。『城』とは、この城塞都市のことを指します。城の中には敵兵が籠っており、豊富な物資も食料もあります。それを四方八方から攻めなければならない。場合によっては、城の外から援軍が来て、挟み撃ちになる恐れもあります。そのようなところで兵力を展開するのは、非常な困難が伴います。
『孫子』は別のところで、相手の10倍の兵力がなければ城攻めをしてはならないとも説いています。やはり、最も望ましい勝利とは、兵力を使わず、戦わずに得る勝利なのです。
●事前準備こそが勝利を約束する
『孫子』の兵法の真髄とは、結局のところ、『戦わない』ということです。これをまさに宣言する言葉が、同じく謀攻篇にあります。
是(こ)の故に百戦百勝は善の善なる者に非(あら)ざるなり。戦わずして人の兵を屈(くっ)するは、善の善なる者なり。(3 謀攻篇)
(これゆえ、百戦して百勝するというのは最善の方策ではない。戦闘を行なわずに敵の兵力を屈服させるというのが最善の方策である。)
一見すると、百回戦って百回勝つのはよいことのように思えます。ところが『孫子』は、それはベストではないと言います。戦えば必ずお金や戦力を消耗するからです。勝利を求めたがゆえに国が困窮してしまっては、本末転倒です。ですから、最善の勝ち方とは、戦って勝つのではなく、戦わないで相手の兵を屈することだと言うのです。
また、凡庸な将軍は、とりあえず戦いを始めてから何とか勝とうとするのですが、『孫子』はそれではいけないと言っています。
是(こ)の故(ゆえ)に勝兵(しょうへい)は先(ま)ず勝ちて而(しか)る後(のち)に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む。(4 形篇)
(勝利の軍隊というのは、まず開戦前の廟算(びょうさん)の段階で勝ち、その上で実際の戦争に勝つ。逆に、敗北の軍隊というのは、入念な事前計画もなく、とりあえず戦ってみて勝ちを求めようとする。)
これは、現代社会を生きる私たちにとっても、教訓としてそのまま受け取ることができる言葉なのではないでしょうか。何をするにしても、『とりあえずやってみましょう』という見切り発車はよくないのです。事前計画の段階で、8割がたはいけるというくらいの状態にしなければならない。それでも、実際に始めてみればいろいろとトラブルも起こるでしょう。ましてや、無計画だったり、計画の段階で勝算がなかったりという場合は、そもそも戦ってはならないのです。これが『孫子』の考えの基本であり、戦争に対する基本的な認識なのです。
●戦わずに勝つ思想はどう活かされたのか
戦わずして勝つ。これが、『孫子』の兵法の基調をなす思想です。しかし、思想というものは必ずしも現実をそのまま反映するものではないとも言えるでしょう。ここに書かれたように『戦わずして勝つ』戦争を実際にできたかどうかは、実は分からないのです。
おそらく、著者の孫武が実際に体験した戦争というものは、非常に悲惨な戦いだったと思います。だからこそ、そうならないための理想をここに書いた可能性もある。悲惨な戦争をしたからこそ、それを避けるため、武力を使わない知略謀略による戦いを推奨したのかもしれません。『孫子』は、そのような現実の反省を込めた思索の結晶だったのかもしれないのです。
このことは、『孫子』が実際にどう読まれてきたかにも関わります。『孫子』が広く読まれたとは言え、後世の将軍や軍師たちは、必ずしもこの書を精読して戦争をしていたわけではないようです。優れた将軍は、『孫子』のようなマニュアルを読まずともよい戦略をたてたでしょうし、結果的に『孫子』の兵法を実践していたというケースもあります。
『孫子』の読まれ方としては、実際に戦争に関わる軍事関係者たちではなく、むしろそれ以外の人たちが、人生という戦いをどう生きるかといった目的意識で読んでいたケースが圧倒的に多いのです。もちろん、科挙で採用された武官などは、『孫子』は必読書として読んでいるでしょう。しかし、それ以外の軍事専門ではない人たちが、こぞって手に取り読んでいた。そこにこそ、『孫子』の思想としての有用性、普遍性があると言えるのです。」武士道ルネサンス

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