武士道Bushido100(507)

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BushidoRenaissance64

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(507)武士道Bushido100「武士道ルネサンス」
「『孫子』
生き抜くための智略がある
戦わずして勝つ――――それが最上の策である
湯浅邦弘 大阪大学大学院教授  NHK『100分de名著』より抜萃  No.13
5.勢いを作り出せ!                    」武士道ルネサンス
アーモンドの花  Sonatina no.2 in Allegro
・「●連携プレーができる組織は強い
兵を行き場のない状況に追い込むことに続いて、部隊の連携によるエネルギーについての言葉を紹介しましょう。これも、有名な故事成語のもとになった言葉です。少し長いですが、引用してみます。
故に善(よ)く兵を用いる者は、譬(たと)えば率然(そつぜん)の如(ごと)し。率然とは、常山(じょうざん)の蛇(へび)なり。其(そ)の首(くび)を撃(う)てば、則(すなわ)ち尾(お)至(いた)る。其の尾を撃てば、則ち首至る。其の中(なか)を撃てば、則ち首尾(しゅび)俱(とも)に至る。敢(あえ)て問う、兵は率然の如(ごと)くならしむべきか。曰く可(か)なり。夫れ呉人(ごひと)と越人(えつひと)と相悪(あいにく)むや、其(そ)の舟(ふね)を同じくして済(わた)りて風に遇(あ)うに当たりては、其の相救(あいすく)うや、左右の手の如し。
(11 九地篇)
(うまく軍隊を運用する者のありさまは、たとえば『率然』のようなものだ。率然とは常山にすむ蛇の名である。その首を撃とうとすると、ただちに尾がそりかえって助けに来る。その尾を撃とうとすると首がかみついてくる。体のまん中あたりを撃とうとすると首と尾の両方が襲ってくる。つつしんでうかがおう。軍隊も率然のようにすることはできるのか。孫武の答え。できます。そもそも呉の国の人とその隣国の越の人とは互いに憎み合う間柄ですが、それでも、同じ舟に乗って河を渡る際、強風にあって舟が転覆しそうなときは、日頃の憎しみを忘れてお互いに助け合うさまは、まるで左右の手のようです。)
ここでは、複数の部隊の緊密ですばやい連携運動が説かれています。蛇は、自分の首が攻撃されるとすぐに尾が敵を撃つ。尾を摑まれると首がかみつく。緊密な連携プレーができています。同じように軍隊も、たとえ本隊と別動隊が分かれて展開していたとしても、双方がきちんと連動している必要があります。
『孫子』はこのことを、ライバル同士である呉と越の国の人が、同じ舟に乗り合わせて暴風雨に遭った時の様子にたとえて説いています。たとえ憎みあう仲でも、そのような状況になればまるで左右の手のように助け合う。だから、一見難しいように思えても、離れて展開する部隊同士の連動も可能だと言うのです。
これは『呉越同舟(ごえつどうしゅう)』の出典となる一節です。現在、呉越同舟はライバル同士が同じ場所にいるという意味で使われています。受験シーズンのニュースで、試験会場から『受験生が呉越同舟でがんばっています』などというリポートが紹介されたりしますが、『孫子』に言わせると、これは少々おかしな使い方なのです。呉越同舟ならば、お互いに助け合わなければいけないからです。
チームというものは、全員が常に同じ場所にいるとは限りません。主力はここ、別動隊はあそこ、さらに別動隊が離れた場所にと、さまざまな地点に展開することもあります。そのとき、互いに情報がないままバラバラに活動をしては、成果は得られないでしょう。一見別々の動きをしているように見えて、実は一つの目標に向かってそれが連動している。そのような動きができる組織が、強い組織ということになるのです。
●場合によっては味方にも情報を伏せる
さきほど、兵を極限状態に追い込むためには味方をもだますという方法を紹介しました。そのことが九地篇で改めて述べられています。
能(よ)く士卒(しそつ)の耳目(じもく)を愚(ぐ)にし、之(これ)をして知る無(な)からしむ。其(そ)の事を易(か)え、其の謀(はかりごと)を革(あらた)め、人をして識(し)る無からしむ。其の居(きょ)を易え、其の途(みち)を迂(う)にし、人をして慮(おもんぱか)るを得(え)ざらしむ。(11 九地篇)
(士卒を統制する場合にも、無用な混乱を避けるため、将軍レベルの重要情報が士卒の耳目に触れないようにし、また、将軍の真意を察知されないようにする。たとえ真意は一つとしても、表面上の言動を適度に変え、また計略を改め、軍が何をしようとしているのかを悟られないようにする。また、駐屯地を転じ、行軍路をわざと遠回りにし、軍がどこに行こうとしているのかを悟られないようにする。)
ここで『孫子』は、情報には重要度のレベルがいろいろあり、すべての情報を全員が共有している必要はないということを言っています。将軍は全情報を把握していますが、士卒にはむやみに情報を与えない方がいい。知らずに行軍して、気が付いたら戦場に着いていたというぐらいがよいと言っているのです。
そして、士卒に真意を悟られないためには、あえて事を変えるとよいと言います。今日はこれをやったけれど、明日はあれをやる。今日はAという作戦を計画し、明日はBという戦術をとる。将軍はいったい何を考えているのだろうと思わせ、兵たちの判断がつかないようにするのです。
現在では、情報はできるだけ広く知らせることがよいという方向になっています。それはもちろん重要なことではあるのですが、生死を分かつ戦争において、情報処理能力の少ない人間に多くの情報を与えると、恐怖のあまり混乱したり、怖気づいて逃亡したりしてしまう恐れもあります。そのため『孫子』は、組織内の役割に応じた適切な情報操作は必要だと主張しているのです。
これは中国の例ではありませんが、限られた人間だけに情報を与えたことで成功した作戦の例に、明智光秀の『本能寺の変』があります。明智光秀は、『敵は本能寺にあり』ということを直前まで部下に伏せていました。これを事前にすべての兵士に伝えていたら、なかには秀吉に内通する者も出たかもしれませんし、怖気づいて逃げてしまう者、信長を討つなどできないと言って反旗を翻(ひるがえ)す者もいたかもしれません。明智光秀は直前まで情報を秘匿(ひとく)した。その結果、信長暗殺という作戦を成功させることができたのです。
ここで、『孫子』が組織運営やその活性化の方法について、さまざまな手法を説く理由について触れておきたいと思います。
『孫子』が組織の活性化について説く背景には、当時の兵卒がどのような人たちであったかが関わっているでしょう。当時の兵はプロの兵士ではなく農民でした。しかも志願兵ではなく、徴兵により戦いに駆り出された人たちでした。ですから、基本的にやる気がないのです。あわよくば逃げて帰りたい。そのような兵がほとんどでした。
だからこそ孫子は、そのような兵にエネルギーを持たせ、集団として活性化するにはどうすればよいかに心を砕いているわけです。プロの兵士集団であれば、このようなことはいちいち言わなくても済むことかもしれません。しかし、構成員のほとんどがアマチュアとなれば、彼らのモチベーションをどう高め、力を発揮させればよいかについては、智恵と技術が必要だったのです。」武士道ルネサンス

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