遺跡の保存・活用とエコミュージアム 山崎一眞 (一社)鎌倉景観代表・元滋賀大学教授

「宇津宮辻子(ずし)幕府」を知っていますか？源氏三代の大倉幕府に続き、執権北条氏が鎌倉市小町に開いた幕府です。「御成敗式目」が制定されるなど、この幕府がその後700年間に及ぶ武家社会の礎を開いたのです。その中心部がいま、集合住宅の建設で壊されようとしています。
私たちはこの歴史的遺産が失われようとしている現実に強い危惧を抱いています。地権者の移り変わりに関わりなく、大昔から地下に眠る遺跡は国民みんなのものです。例えばこの広い空き地を史跡公園として、誰もが想い、鎌倉時代を実感できる場所にするのはどうでしょうか？宇津宮辻子幕府の歴史的意義を学び、鎌倉のまちづくりの中で保存と活用をどのように図るかを、歴史学や文化財保護の専門家とともに考えるシンポジウム令和5年12月14日に開催しました。