私達が子供の頃、高度経済成長時代は頑張れば先は良くなるという右肩上がりの希望に満ちた時勢だったのが、秀吉の出世とかぶるように感じる。経済的発展が輸出を増やして行き、海外と肩を並べられるようになりつつあった。それに反して、現在は先行きの見えない漠然とした停滞感がある時代、立身出世自体が現実味がない。こういう時代の変化が、大河ドラマの内容、脚本にも反映されているように感じる。秀吉像は今までさんざんやり尽くした感があるので、かえって別の描き方の方が新鮮でもある。人間には様々な面があるので、どこにスポットをあてるかで、かなり人物像が変わる。かつての異色大河ドラマ”信長KING OF ZIPANG"では、宣教師ルイス・フロイスの眼を通して描かれるという趣向だったが、うまいやり方だなあと思った。動画内の江戸時代のの秀吉像が、面白かった。小瀬甫庵がかなり小説家ぽい立ち位置であり、新井白石は幕府の体制派として秀吉をあまり評価していないのが、なるほど!と感じた。