Рет қаралды 560,688
心温まる話が行政まで動かしました。東日本大震災で愛犬に命を救われた高齢女性の実体験などをもとに、新たな試みとしてペット同伴の避難訓練が始まっています。
11年前の3月。自宅があった岩手県宮古市の田老地区を歩く赤沼タミさん(当時82歳)と雌のシーズーのバブ(当時12歳)。津波が自宅を飲み込んだ時、タミさんはバブに命を救われたといいます。
赤沼タミさん:「(Q.バブがいたおかげで逃げられた?)そうそう、それが理由だね」
大きな揺れを感じて家の外に出た瞬間、バブはいつもの散歩コースとは全く逆の高台の方へ突然、走り出しました。
赤沼タミさん:「(Q.いつもの散歩コースとは違った?)違います、全然違います。あっち(高台)へ行ったことはない」
バブに引っ張られながら走るタミさん。
赤沼タミさん:「引っ張られるとは思わなかった。グイグイ引っ張るの」
すぐ後ろには津波が迫っていたといいます。
赤沼タミさん:「(津波に)追い付かれずによく走ったなと思う。追い付かれたら大変だから。(バブが)振り返って必ず顔を上げて(私を)見る」
間一髪のところで高台まで避難することができました。
最初の避難所では同じ布団で寝ていたタミさんとバブ。
しかし、避難所から避難所へ。
移り住んだ際には犬の泣き声やにおい、そしてアレルギーなどが問題となり、バブは知り合いの家に・・・。
初めて離れ離れになったタミさんとバブ。毎日、欠かさなかったバブとの散歩でしたが・・・。
赤沼タミさん:「(バブが)いる時は気を張ってきょうも(散歩に)行かなきゃと思って行くんだけどね。今は何にもすることがないなと思って。ガッカリです。ただ座っているだけですね・・・」
2カ月後、再会の時。
千切れんばかりに尻尾をふるバブ。
その後、仮設住宅に住んでいる時もずっと一緒だったといいます。
食事中も編み物中もタミさんの横をかたときも離れないバブ。
雪が降り積もった道でもお構いなしに、バブは嬉しそうに歩きます。
仮設生活でもタミさんはバブとの暮らしに希望を持っていました。
赤沼タミさん:「ないものはないからね。たいていあるから。バブがいればなんにもね・・・。毎日、元気だからね。こっち(バブ)も元気」
震災から3年が経った2014年。暑い夏の日に自宅でバブは15歳で天国へ旅立ちました。
赤沼タミさん:「(Q.ずっと一緒にいたいですか?)そうね、どうせいるなら死ぬまで一緒」
そしてタミさんも先月、93歳で帰らぬ人に。
タミさんの息子・赤沼文吉さん(72):「バブも(タミ)おばあちゃんも大往生だと思います」
タミさんの義理の娘・赤沼まき子さん(69):「よく言うじゃないですか、ピンピンコロリって」
タミさんの息子・赤沼文吉さん:「世話を掛けないように逝ってくれたのかなって・・・。人間でいえばバブも90(歳)なっているかもしれない。多分(人生を)まっとうしたんじゃないですか、一人と一匹が」
タミさんとバブは自宅の跡地をのぞむ高台のお寺の同じ敷地内で静かに眠りについています。
タミさんの息子・赤沼文吉さん:「(Q.向こうでどういうことをしていると思う?)仲良く散歩しているんじゃないかなと。(タミ)ばあちゃんにすればバブは一つの活力になっていたんだと思う」
飼い主の命を救った愛犬との実話は行政にも影響を与えました。
宮古市では今年度、ペット同伴での避難訓練を初めて実施。災害時に家族の一員として、保護なども含めた同伴での避難の仕組み作りをさらに進めるとしています。
タミさんの息子・赤沼文吉さん:「助けてもらった命ですよね。ひ孫にも何人にも会えたし。バブに関してはすごく感謝していると思いますね」
[テレ朝news] news.tv-asahi....