残り1年を切った初の「国スポ」佐賀開催 鹿児島国体終え課題は【佐賀県】 (23/10/18

佐賀県で開かれる国民スポーツ大会まで残り1年を切りました。17日幕を閉じた鹿児島国体から見えた課題などについて波佐間アナウンサーのリポートです。
【波佐間崇晃リポート】
「鹿児島県の陸の玄関口、鹿児島中央駅です。駅周辺は国体の歓迎ムード一色です」
1972年以来2度目の国体開催を迎えた鹿児島県。
市内では連日全国から訪れた選手団の姿が見られました。
【鹿児島県民】
「鹿児島全体で盛り上がっているかなとは感じています。経済とかも結構盛り上がるんじゃないかなと思います」
【鹿児島県民】
「体育会系っぽい人、めちゃくちゃ多いですよね。どこに行っても。開催が延期になったりとかで、鹿児島はずっと国体のために動いているみたいなところありましたよね」
【飲食店 店長】
「昨日も選手の方がご飯食べに来たりとか、遅くなんですけど競技が終わった後、多分打ち上げに来てくれたのかなと思うんですけど。僕らとしては幸せなことなので、すごくありがたいことです」
新型コロナの影響で延期が決まり、今年開催を予定していた佐賀県が譲る形で3年越しの開催となり、各地で準備が進められてきました。
朝食時の混雑を避けるため、期間中は選手団向けに約80食分から100食分の弁当を用意しました。
【飲食店店員】
「開けてみて、かわいい、おいしそう、そういうイメージでつくっている。期間中の朝食対応はもうお弁当しかないですよね」
選手たちのスケジュールに影響がないよう受け入れ先も工夫しながら対応していました。
一方、来年の佐賀県での開催に向けた課題もあります。
【山口県の代表選手】
「今回のホテルは県関係者が斡旋、とってもらいましたが、普通に一般の人が取るんだったらホテルとかなくて困るなって」
大きな課題が宿泊施設です。
鹿児島国体には約57万人が来場。期間中、県内で宿が取れないケースがありました。ホテル・旅館の客室数は鹿児島県が約2万7400室に対し（去年3月31日時点）、佐賀県は約9540室と半分以下となっています。
県は、県内の施設はもちろん福岡や長崎の旅館やホテルにも協力を呼びかけ、宿泊場所を確保する方針です。さらに…
鹿児島市が会場となっている競技に出場する和歌山県の選手たち。
前日の練習会場は県内で確保できなかったといいます。
【 和歌山県の代表選手】
「宮崎県で昨日練習してきたんですけど、思ったよりも移動大変でした。しんどいですよね。遠いので。車の中は」
「ボンタンアメです」「ありがとうございます」
また、大会を運営するスタッフの確保も課題です。
鹿児島国体の会場は約70カ所（正式競技）。
大会事務局によりますと、鹿児島国体のボランティアの数は開会式や閉会式など県の管轄だけでも、のべ約1400人。
「おもてなし」を手厚くする程、多くのスタッフが必要になります。
国体会場には佐賀県関係者も視察に訪れていました。
【SAGA2024・SSP推進局 宮原耕史局長】
「競技運営のどういったことをやられているのか。私たちも一緒に肌で感じて、来年に向けて抜かりなく準備をやっていきたいと」
鹿児島国体と大きく違うのが会場の駐車場です。
国体では鹿児島市内のメインスタジアムのほか、離れた場所で各競技を実施。
それぞれ会場の近くに駐車場が用意され、渋滞もほとんど見られませんでした。
市の中心部には約800台が停められる大規模な駐車場も整備されました。
一方、来年の国スポでは佐賀市のSAGAサンライズパークで陸上や水泳、サッカーなど競技人口の多い9競技が行われるため、選手団や応援に訪れる関係者の駐車スペースの確保が課題です。
【SAGA2024・SSP推進局 宮原耕史局長】
「佐賀は宿泊施設も少ないので、そこをいかに選手の方々に配宿をきちんとやっていくか。あるいは、交通輸送を抜かりなくやることが皆さんの印象につながる」
【波佐間崇晃リポート】
「鹿児島市の陸上競技場です。こちらは屋根の増築など、国体に向けて改修が進められてきました」
鹿児島県は多大な予算がかかることを踏まえて大規模な建物を新設せず、既存の建物を改修・増築して対応しました。
対してSAGAアリーナを始め施設の新設を進めた佐賀県ではSAGAサンライズパーク一帯の整備費が540億円に上ります。
競技人口が比較的少ない競技の施設でも整備費に見合った大会後の有効活用が求められます。
「国民スポーツ大会」として最初の開催となる佐賀県。
1976年の若楠国体以来46年ぶりの大会で、全国から訪れる人に地域の魅力を伝える絶好の機会でもあります。
【SAGA2024・SSP推進局 宮原耕史局長】
「鹿児島の人一致団結して選手を応援してくれているので、いろんな選手の力になると思います。鹿児島の良さを肌で感じますので、佐賀県も全国の来場者に届けていきたい」
国スポに向けたさまざまな課題をどう解消していくのか、大会まではあと1年を切っています。