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自然災害が頻発する中、課題の1つとして挙げられるのが避難所の運営です。その避難所の運営をゲーム感覚で学べるツールが、去年鳥取県で完成しました。すでに学校での活用も進んでいるといいます。どのようなゲームなんでしょうか?
鳥取市の鳥取西高校。グループに分かれた生徒たちが、カードを見ながら何やら話し合っています。
「避難者から夜間の貴重品を管理が十分にできないと相談を受けました。どのように対応を講じますか」
「預かるしかなくない?」
「夜は鍵をかけるとか」
この日、1年生の生徒たちが挑戦したのは「鳥取県版避難所運営ゲーム」です。
ゲームで使うのは、避難所となる2階建ての公民館の平面図、そして、避難者の性別や年齢、抱える事情などが書かれたカードと、避難所で起こる様々なイベントやトラブルが書かれたカードなどです。
夏の大雨被害という想定で、生徒たちはカードに書かれた情報から避難者の部屋の割り振りを決めたり、トラブルへの対応を話し合ったりして、避難所の運営を疑似体験していきました。
鳥取西高校 岸本陽子 教諭
「鳥取県さんが避難所運営ゲームを作っておられるというのを研修会で聞きまして、これを使って生徒にいろいろな話し合いをさせてみたいなということで導入してみました」
避難所運営ゲームは、2007年に静岡県が開発したもの。この鳥取県版は、静岡県の許諾を得て県独自の内容にアレンジしたもので、去年1月に完成しました。
制作したのは県から委託を受けた鳥取大学の学生防災サークル「鳥大防災Lab.」です。
鳥大防災Lab. 岡島悠斗さん(4回生)
「なるべく鳥取のみなさんが身近に感じられる状況設定を意識して作成しました」
静岡県版の災害の想定は、「地震」で避難所を「小学校」としているのに対し、鳥取県版は地域の実態を反映して、「水害」を想定したうえで、避難所は「公民館」としました。
また、避難者の名前に地名を取り入れるなど、固い内容を少しでも楽しんでもらえる工夫も施しました。
2017年に結成された「鳥大防災Lab.」。これまで防災グッズづくりのワークショップを開くなど、地域の防災教育に貢献してきました。最近では自治体や学校などで避難所運営ゲームの体験会も開き、その活動の幅を広げています。
鳥大防災Lab. 岡島悠斗さん(4回生)
「ゲームという楽しいもので防災や災害を学ぶきっかけになってもらえればうれしいと思っています」
先ほどの鳥取西高校。活発に意見を交わす生徒たちは、「鳥取は高齢者が多いから 1階の広い部屋を高齢者用に」とか、「外国人や乳幼児連れ、ペット連れなどは配慮が必要」など、話し合いながら部屋を振り分けていました。
また、「食事は子ども優先」「コンセントは予約制」「掃除は当番制」など、避難所が円滑に運営できるルールなども考えていました。
生徒
「その人にあった部屋とか対応というのを取らないといけないし、別の人とも兼ね合いがあるので、そこを適度にみんなが満足するような対策をとるのが大変だなと感じています」
生徒
「起床時間とか食事の時間とか細かいルールも決めないといけないし、あとからどんどん問題も出てくることがあったので、それが難しかったです」
また、運営側の大変さを知ることで、利用する側の心構えも持てたようです。
生徒
「避難所は本当にいろんな人が苦しい、いろいろ回らない部分も多いと思うので、他の人に配慮しながら使うことが必要だなと感じました」
鳥取西高校 岸本陽子 教諭
「大人になってから自治体とか地域でリーダーとして活躍する生徒というのが非常に多いと思いますので、こうした体験を通してリーダーになった時のことを考えてもらえたらうれいしいと思います」
ゲームは鳥取県が貸し出しをしていて、自然災害が頻発する昨今、防災研修などでぜひ活用して欲しいとしています。
【BSSニュース】
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【TBS NEWS DIG】
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