講義「定住外国人の日本語会話習得に関する縦断的研究から見えてきたこと ～日本語使用者の高齢化や言語摩滅の過程に注目しながら～」（野山広）／言語学レクチャーシリーズVol.29

国立国語研究所 言語学レクチャーシリーズVol.29です。言語学の専門的な内容等について学ぶことができる動画教材として、ぜひご活用ください。
講師：野山広（国立国語研究所 准教授）
内容：
0:51　本レクチャーの構成
1:03　０．はじめに
-　外国人定住者との関わり
-　約15年間の縦断調査
4:14　１．定住外国人の日本語会話習得―縦断調査―
-　OPIのレーティング結果（１）
-　言語習得から言語摩滅へ
6:35　２．これまでの縦断調査から得られた分析結果
（１） OPIのレベル変化と定住者が必要とする日本語力（分散地域）
（２） 定住者の言語的課題と必要な言語支援
（３） 日本語支援からコミュニケーション支援へ
（４） OPIのレベル変化：B10の事例
（５） 加齢とともに（70代半ば以降）必要な配慮
談話の事例
15:06　３．本レクチャーにおける談話分析の焦点―高齢学習者の言語摩滅（喪失）に関する研究
20:48　４．関連した成果
22:17　５．参考文献・参考資料
-　リテラシーとは？その定義（広義の意味）について
OPIのレーティング結果（２）
※「OPI」の詳細については以下ご参照ください。
mmsrv.ninjal.a...
※「言語摩滅」の詳細については以下ご参照ください。
www2.ninjal.ac...
※この動画での「リテラシー」とは23:10あたりから解説しています。
※「正統的周辺参加（せいとうてきしゅうへんさんか）」（英語では Legitimate Peripheral Participation（LPP））とは、いずれかの地域・コミュニティや何らかの実践共同体等の場において、新規の参入者（新参者、引っ越して来た者、移住してきた外国籍住民等）が、やがて（徐々に試行錯誤や経験値・知の蓄積により）経験のある一員・メンバーとなり、最終的には、いわゆる古参（ベテランのメンバー）となる過程を捉えたものです。この用語は、ジーン・レイヴとエティエンヌ・ウェンガーによって提唱された概念です(Lave & Wenger 1991参照)。
引用・参考文献
Lave, Jean; Wenger, Etienne (1991), Situated Learning: Legitimate Peripheral Participation, Cambridge University Press
日本語訳：（佐伯胖 訳）『状況に埋め込まれた学習 : 正統的周辺参加』産業図書、1993年
※「十全参加」とは、上記の地域や実践共同体等の場において、さまざまなことにかかわりを持ち、参与、参加することを通して、学ぶことができる知識や技能、言語的創造力（キャパシティ、コミュニケーション力、対話力、対応力、調整力）などの最終的過程（段階）と捉えられます（Lave & Wenger 1991参照）。
■ 再生リスト「言語学レクチャーシリーズ」
• 国立国語研究所 言語学レクチャーシリーズ
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