栃木県の企業倒産 過去最多 ２０２４年 ゼロゼロ融資返済トリガーに

２０２４年に倒産した栃木県内の企業は、１７０件で過去最多を更新したことが民間の調査会社の調べで分かりました。
帝国データバンク宇都宮支店によりますと去年、負債が１０００万円以上で倒産した県内の企業は１７０件で前の年の１３１件から１．３倍ほどに増え、過去最多を更新しました。これまでの最多は、アメリカの投資銀行が倒産したことをきっかけに、世界中に連鎖した金融・経済危機「リーマン・ショック」が猛威をふるった２００９年の１６０件でした。
急増の要因について帝国データバンクは、新型コロナウイルス流行の影響によって売り上げが減少した中小企業などに対して、実質無利子・無担保で融資を行った「ゼロゼロ融資」返済の本格化がトリガーとなったと分析しています。その背景には、円安や物価高、それに人件費の高騰といったコストが上がっているのに、その上昇分の価格転嫁が進まず、売り上げが伸びない現状があるということです。結果として、返済の資金が準備できずに倒産に至るケースが多く、今後の見通しとして構造的な変化が見られない限りは当面同じ状況が続くと見られるとしています。
倒産件数が過去最多となった一方、負債総額は１４４億１６００万円と前の年と比べて、２１億円余り減りました。この１０年では２番目の少なさで、いかに小口の倒産が集中したかを表しています。