【老子】中国思想解説#13【道家】【無為自然】

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動画の書き起こし版です。
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老子は紀元前6世紀ごろを生きた人物とされていますが、
その実在自体が非常に怪しく、一般的には神話上の人物ではないかと言われています。
史記の記述によると、老子は楚の国に生まれ
その後周の書庫記録係として働いていたとされています。
すでに道徳を修めており、偉大な人物だった老子ですが、
その思想から名を知られることを嫌い、有名になることを避けていたようです。
そして周の国が衰え始めたことを察すると、
隠居生活をするために周を離れようとします。
周を去るその時。
国境を越えようとした老子は関所の役人に懇願されます。
「先生はまさに今隠居されようとしていますが、
その前に私に教えを書き残してはいただけませんでしょうか?」
老子はこれに応じ『老子道徳経』を書き上げます。
彼についての直接的な言及はこの程度しか残っておらず、
その後の老子の消息は不明です。
民間の伝承レベルにおいては、
孔子に礼を教えたのは老子であるとか、
母親が流れ星を見て懐妊し60年近くも身篭っていたとか
伏犠の時代から何度も生まれ直して最終的には仏陀になったとか
多岐にわたる神話的な話が残っています。
実際、老子は『太上老君』として道教にて神格化されています。
老子は【道家(道教)】を代表する思想家として知られています。
道家は儒家の思想を
『仁や礼は世の中の乱れを正すために人為的に作られたものである』
と否定します。
これは後に融合する陰陽家の
『儒家の思想は人間社会に限定したもので、視野が狭い』
という主張とかなり近い考え方だといえます。
老子道徳経にはこうあります
『大道廃有仁義(大道廃れて仁義有り)』
本来人は道に従って生きていたが、文明が進化する過程で道を見失ってしまった。
それを無理やり縛ろうとする仁と礼は、より人間らしさを奪ってしまう。
【道】とは西洋哲学的に表現すると【ロゴス(法則)】のことです。
宇宙のあらゆるものを成り立たせる存在であり、
言葉で表すことのできない無名のものだと考えられました。
本来、原初の人間はこの【道】に従って生きていました。
しかし文明を獲得し、その文明を維持するために様々な制約を加える中で
いつしか【道】を見失ってしまったというんですね。
そして、仁や礼も道から遠ざかる要因になった『制約』の一つであり
儒家の思想に従って生きるのは、本来の人間らしい生き方がより困難になることだと主張したのです。
宇宙のはじまりから、この世界は生成と消滅を繰り返して
ある法則に従ってそれが延々と続きます。
その根底にあるのが道であり
仁や礼などの文化や価値観も道に従って変化し、やがて消滅してしまいます。
そのようなものに振り回されても幸せになることはできない。
個人的にはとても痛いところを突かれたような思いのする思想です。
同様の文脈で、老子道徳経にはこのような言葉もあります。
『絶学無憂(学を絶てば憂いなし)』
人為的に作られた中途半端な知識を持たない方が迷いがなくなるという意味です。
例えば、昨今のマナーブームには同様のことが言えるのではないでしょうか。
誰が作ったかわからないような形骸化したマナーを学んでも、
傍目から見たら「何やってんだか」と首をかしげたくなりますよね。
老子は、その視点で世の中の学者たちを見ていたのではないでしょうか。
さらに、こう続きます。
『唯(い)と阿(あ)と相い去ること幾何(いくばく)ぞ。善と悪と相い去ること何若(いかん)ぞ。』
はいと返事するのと、うんと返事するのにそれほどの違いがあるのか?
人が決める善と悪にそれほどの違いがあるのだろうか?
老子はこのようにして、人間社会が作り上げた習慣やマナー、価値観について
それは一過性のもので本質的ではないと全否定します。
そうした思想から
『自然に従って生きることに勝るものはない』と結論付けます。
これを【無為自然】と呼びます。
『無為を為せば、則ち治まらざるなし』
何もしないことができれば、世の中は丸く治る。とまで言っています。
その上で、理想の国家体勢を【小国寡民】として提示します。
これは、【知足】とされる『ほどほどの満足を知った』国民が
小さな面積、少ない人口のコミュニティーにおいて
自給自足をし、罪も罰則も設けない国を理想とする思想です。
このような国においては、全ての国民が今の生活に満足しているため
すぐ近くに隣国があっても、誰も出ていくことはないとされます。
簡単に言えば、文明の進歩を止めて後戻りしようということです。
非の打ち所のない正論にも聞こえますし、
一方でそれが正しいとしても実行できない理想論にも思えますね。
当時も同様だったはずですが、
現代においてもなんとなく「文明の進化が行きすぎているのではないか」
と考える人は少なくないと思います。
しかし、どうやら文明の歩みは後戻りすることを許さない仕組みになっているようです。
もしかしたら老子もそう考えていたかもしれません。
だからこそ、俗世を離れて自分だけでも理想の生き方を実現しようとしたと考えることもできますね。
老子の思想はその後彼を神格化することで、学問から宗教へと変化し
道教として中国大陸の民衆の心の支えになっていきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
#老子
#道教
#道家

Пікірлер: 41
@ロン如月
@ロン如月 9 ай бұрын
道教…各々が自分の道を歩みなさいと云われてるようで。なんか心持ちが楽になりますね。 いろんな生き方(道)があって良い。と
@tomofishing826
@tomofishing826 3 жыл бұрын
最近、このチャンネルを知りました。短時間で効率よく復習できて、声も聞きやすく、テキストで眺めるよりも記憶にも残りやすく最高です。
@乗英神谷
@乗英神谷 8 ай бұрын
無為自然‼️ いいですね(^-^)/ 道教が俺に合ってます。 ありがとうございます🎉 心のモヤモヤがすっきりしました😊
@よこまりー
@よこまりー 3 жыл бұрын
1つテンポを遅くしたら、最初に聞いた時より内容を理解出来ました。 老子さんの話しも面白かったです。勉強になりました。
@Happysongkla
@Happysongkla Жыл бұрын
ありがとうございます!
@哲学チャンネル
@哲学チャンネル Жыл бұрын
こちらこそありがとうございます!
@thelittleshrine
@thelittleshrine 3 жыл бұрын
素晴らしい動画です。最近神社に行けば行くほど道教が気になって。。 どこか似ているでしょうかね。
@aruru4600
@aruru4600 3 жыл бұрын
今の時代は行き詰まりを感じますが、文明は進化し続ける事を善しとする無意識の大衆心理があるように思います。
@kingofponzu
@kingofponzu 3 жыл бұрын
これまた真理であり理想論と言ったところ
@jiritsuseitai
@jiritsuseitai 3 жыл бұрын
藤崎竜の封神演義が老子の思想に強く影響をうけてるなぁと感じました。 たいていの封神演義では悪役とされる妲己が、その漫画では、老子の思想の表現者だったと言う事に気がついて軽い驚きを覚えています。
@哲学チャンネル
@哲学チャンネル 3 жыл бұрын
わかりみが深いです。
@chipsfish990
@chipsfish990 3 жыл бұрын
いやー分かる。進化とか発展とか成長とかだるいわ。しょせん他人が作ったルールでしかない。上からの評価ありきの生き方。そんなんゴミだ。ヒッピー最強
@白からす-m9k
@白からす-m9k 23 күн бұрын
ぶっちゃけ上からの評価だけが正しいとは限りませんからね 進化発展成長はあって然るべきですが良い範囲、範疇であって欲しいし、他人が作ったルールが善ならば良いですけど悪人が恣意的に作ったルールは乗っかっちゃダメです😂
@gigkz5132
@gigkz5132 2 жыл бұрын
仁は人への愛情や思いやりだったかな。 母親が子を愛する感情は自然に湧き上がる想いですね
@KEN-xe1ib
@KEN-xe1ib 2 жыл бұрын
仁義の強要が問題だという意味だと思います。古代中国では儒教の影響で、親が亡くなると、三年親の墓を悲しみの表情で見守るということなど諸々のことを強制されます。 これでは人間的な愛情や思いやりだったものが段々と嘘偽りになっていき、人間性が崩壊してしまうことを危惧しての言葉だと思います。現代社会にも通じますよね。
@y.kakitani9518
@y.kakitani9518 Жыл бұрын
老子はパラドクスを用いて「言語」が作り出す世界の虚偽性を言い表したかったのではと思います。この視点を西洋では20世紀になってやっとF. ソシュールが言い出しました。対比すると面白いです。老子・道徳教の第二章と同じです。
@いいだたくみ-c3n
@いいだたくみ-c3n 3 жыл бұрын
「はい」と答えるか、 「うん」と答えるかの違いなど、 気にするだけ無駄って、めっちゃわかる気がしますね。 だがしかし、会社でそんなこと言ったら確実に叩かれそうですけどね笑
@takezo1694
@takezo1694 2 жыл бұрын
荀子は「学は以って已むべからず」と語って学び続けることの意義を説いた。 老子は「学を絶てば憂なし」と語って煩雑な知識に拘束されることを非難した。 二人の言う「学」は同じものか違うのか。
@funkpipozaru
@funkpipozaru Жыл бұрын
自然で必要なものですね 西洋の没落の警鐘のような、 直線的な歴史観に基づく、便利によるストレスそのものだと思いました 面白いですねぇほんと
@空蝉-i4q
@空蝉-i4q 3 жыл бұрын
儒家があったから道家が生まれたという順序関係になるんでしょうか。 たしかに人間関係の複雑さよりは自然の厳しさの方が御しやすいという感じはありますね。
@哲学チャンネル
@哲学チャンネル 3 жыл бұрын
順序関係は正直カオスです。 便宜上「儒家の思想に対して」と表現していますが、孔子以前にも儒家的な思想はありましたし、そもそも老子は孔子よりも前の時代の人とされています。 老子が思想を語るときに『今の社会に対して』異論を投げ掛けたのは間違いありませんが、それが儒家を名指しして行われたかはかなり微妙だと思います。
@yujifuji1978
@yujifuji1978 6 күн бұрын
花鳥風月が無い、 即ち人は人を気にし過ぎることを中心にした生き方に依り過ぎない方が良い、 というようなことを養老先生も言っていた気がする。
@getterwolf1025
@getterwolf1025 3 жыл бұрын
なるほど、でそう生きられるかなぁなんて思ったけど、まぁ、いいか。
@Asweed888
@Asweed888 Жыл бұрын
道というより波動だと思いますね 万物は波動の上に在る 宇宙の波動を受け取って舞い踊り様々な紋様(クラドニ図形)を描く砂粒のような存在
@こみ-p1k
@こみ-p1k 3 жыл бұрын
受験生にとっては無為自然は危険ですね
@悪の総統
@悪の総統 Жыл бұрын
老子が文明を後退させようと考えたという個所は私は別に感じていますね 重要なのは今に満足する事であり、無理に発展させたりましてや奪おうなどとはしない事だと考えます 無理な虚栄心こそが苦しみを生み出し、無理な努力はいつしか暴走へと変わるでしょう だからこそ他国や他人をうらやまず自国や自分を認める事が大切だと感じます
@桑畑三十郎-s2t
@桑畑三十郎-s2t 10 ай бұрын
わしもそうおもう
@虹色マストドン
@虹色マストドン Жыл бұрын
欲である それが本質である
@yd9939
@yd9939 2 жыл бұрын
無為というのは、「何もしない」ではなく、「自然の摂理に背ける行為をしない」と捉えるほうが老子の本意だという説もあります。 なんにせよ、何もしないということは、死ぬことと同じであり、自然(典型的な例として、天体)のとめどがない運行とは明らかに反した、「道」から遠いことなのだから。
@KEN-xe1ib
@KEN-xe1ib 2 жыл бұрын
「何もしない」ことがさも簡単なことだと思われている様ですが、非常に困難ですよ。 静かにしてても、無意識の内に情緒が湧き起こり、心臓は鼓動を続けます。古代からインド人は一生を通じて「何もしない」極地である「悟り」を目指されました。 殆どの人間は「何もしない」ことなどできないのです。
@mk_f2407
@mk_f2407 3 жыл бұрын
どうもこういった理想論は苦手です 個人的には、人間の本質は虚構を作り出し、それを心の拠り所とせずにはいられないのだと思っています。 老子を神格化し、老子の思想を宗教化してしまうのも当然の流れだと思います。
@哲学チャンネル
@哲学チャンネル 3 жыл бұрын
まさに、それが哲学の中で長い間議論されてきた一つの大きなテーマです。 2500年前と今と、人間の本質が(進化的に)変わっていることがあるのかもしれませんし変わっていないのかもしれない。 老子の存在の是非は無視しても、後世の人たちが彼の思想に後付けで脚色をした可能性は非常に高く、ある意味老子に『理想論』を語らせたものが老子道徳経であると捉えることもできます。 ちょうど、プラトンがソクラテスに様々なことを語らせた関係と似ているかもしれません。
@中野まさる
@中野まさる 11 ай бұрын
荘子の事も知りたいです。
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진영민yeongmin
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