単に歴史を編纂したというだけでなく、東洋アジアにおける歴史書において紀伝体というフォーマットを確立したのが最大の偉業だよな。AV機器でいうVHS VS βの規格同士の競合のような事も古代の歴史書・歴史小説ではもちろんあったのだろうが、その後の基準規格として現代まで影響が続いている事を考えると偉業という言葉ですら司馬遷の功績を称えるのに力不足感ある。 中島敦の李陵しか知りませんが、どうも司馬遷と李陵は親友同士だったらしいですね。宦官に身をやつしても自身の私的な恥より史記を遺す大義を取った彼のことだから、たとえ宮刑を免れるだけの財力や伝手があったとしても、親友の一族がまとめて粛清され汚名にまみれている中で自分まで親友の不名誉を認める側に屈して回ってしまうことだけは堪えられなかったのではないでしょうか。