品川の歴史見学#2～東海道と中原街道

陸地、海の上、空の中。人々はいろいろな場所をいろいろな方法で移動しますが、一番身近なのは、歩いたり、電車に乗ったりして移動することではないでしょうか。
歩く道と鉄道は、昔の品川とゆかりがあることを知っていますか？ここでは、東海道と中原街道という2本の道の歴史を紹介します。
【品川の古い道～東海道～】
道路は、行き先となる土地の名前「地名」を付けたものが多いようです。名前が付けられた理由は、地名と道の歴史を調べることでわかりますよ。
今より150から420年ほど前、江戸時代の東海道は、今でもある江戸の日本橋から京都を経て大坂まで通っていた道路でした。
東海道は、海が近く平らな地形だったことから、昔から人や物の移動手段として使われていました。
品川区には東海道品川宿という、お店やお休みするお宿などが集まる町がありました。これを宿場町といい、昔品川と呼ばれていた今の目黒川を挟み、北品川と南品川に開かれました。
この品川宿を含む昔の道は、品川区では北品川の八ッ山から南大井の鈴ヶ森まで残されています。このように、東海道といえば、江戸時代が有名ですので、この時代を思い浮かべる人が多いかもしれませんね。しかし、実は、いま品川の東海道沿いに建つお寺や神社の多くは江戸時代より前からあり、その位置もほとんど変わっていません。
つまり、そのお寺や神社が面した品川の東海道は、江戸時代より前から通っていたのです。
ここで地形を見てみましょう。南側から南品川、目黒川、北品川へと東海道を進んでいくと、緩やかな上り坂になっています。この地形は昔から変わらないのですが、なぜ上り坂になっているのでしょうか。
この先には八ッ山という山があります。東海道は、江戸時代より前にこの八ッ山を切り開いて通した道路のため、山の前後が坂になっているのです（図4）。この八ッ山には、明治時代になって日本で初めての鉄道が通された時に八ッ山橋が架けられました。今でも下に鉄道、上に道が走っています。そして、この東海道のすぐ近くには海が広がっていました。
東海道品川宿を歩くときは、お寺と神社、地形を見ながら海が目の前にあった時代のことを想像してみましょう。
【品川の古い道～中原街道～】　
中原街道は、港区から品川区に入り、大崎・五反田・荏原・旗の台を経て大田区へ抜けています。この中原街道もとても古くから通っている歴史のある道路です。江戸時代には、江戸城の門の一つ虎御門、現在の港区虎ノ門がスタート地点、中原という場所がゴール地点になっていました。
それでは、中原街道の「中原」とは現在のどこの場所を指すと思いますか？次の3つから選んでみてください。
①品川区荏原一・二丁目・小山二丁目付近の中原
②神奈川県川崎市の中原
③神奈川県平塚市の中原
正解は、③です。
荏原一丁目・二丁目、小山二丁目付近の中原と平塚市の中原は、今はない地名なのですが、平塚市の中原には、江戸時代に徳川家康が建てた中原御殿と呼ばれる建物がありました。この中原御殿に向かうための道、それが中原街道です。
いま、品川区内を走る中原街道は、道幅が広くなりましたが、荏原一・二丁目付近と西中延二丁目・旗の台二丁目に江戸時代の古い道が残っています。車がたくさん通る大きな通りの隣にある細い道です。その近くには、当時の人たちが建てたお地蔵さんや石の塔などがあります。
近くへ行ったらお参りしながら道を歩いてみるとよいでしょう。
いかがでしたか？東海道と中原街道の歴史について見てきました。
このほか、品川区内には、今は池上通りとして残っている大田区にある池上本門寺へお参りするための道である池上道、昔、今の府中市にあった武蔵国の中心地と品川を結ぶ品川道、目黒区下目黒にある目黒不動へお参りするための道である目黒道、同じく目黒区碑文谷の円融寺へお参りするための道である碑文谷道などが通っています。いずれも道の行き先がその道の名前になっています。
一方で、名前の付いていない小さな道が、元々古い道である可能性もあります。お家の近くや学校の近くにもあるかもしれません。
道のことを調べる時は地名がヒントになります。今なくなってしまった地名は、公園や交差点などの名前に残されていることがありますので、調べてみましょう。
自分なりに疑問を持って調べてみると、多くの発見があると思います。ぜひ楽しみながら取り組んでみてください。陸地、海の上、空の中。人々はいろいろな場所をいろいろな方法で移動しますが、一番身近なのは、歩いたり、電車に乗ったりして移動することではないでしょうか。
歩く道と鉄道は、昔の品川とゆかりがあることを知っていますか？ここでは、東海道と中原街道という2本の道の歴史を紹介します。
【品川の古い道～東海道～】
道路は、行き先となる土地の名前「地名」を付けたものが多いようです。名前が付けられた理由は、地名と道の歴史を調べることでわかりますよ。
今より150から420年ほど前、江戸時代の東海道は、今でもある江戸の日本橋から京都を経て大坂まで通っていた道路でした。
東海道は、海が近く平らな地形だったことから、昔から人や物の移動手段として使われていました。
品川区には東海道品川宿という、お店やお休みするお宿などが集まる町がありました。これを宿場町といい、昔品川と呼ばれていた今の目黒川を挟み、北品川と南品川に開かれました。
この品川宿を含む昔の道は、品川区では北品川の八ッ山から南大井の鈴ヶ森まで残されています。このように、東海道といえば、江戸時代が有名ですので、この時代を思い浮かべる人が多いかもしれませんね。しかし、実は、いま品川の東海道沿いに建つお寺や神社の多くは江戸時代より前からあり、その位置もほとんど変わっていません。
つまり、そのお寺や神社が面した品川の東海道は、江戸時代より前から通っていたのです。
ここで地形を見てみましょう。南側から南品川、目黒川、北品川へと東海道を進んでいくと、緩やかな上り坂になっています。この地形は昔から変わらないのですが、なぜ上り坂になっているのでしょうか。
この先には八ッ山という山があります。東海道は、江戸時代より前にこの八ッ山を切り開いて通した道路のため、山の前後が坂になっているのです（図4）。この八ッ山には、明治時代になって日本で初めての鉄道が通された時に八ッ山橋が架けられました。今でも下に鉄道、上に道が走っています。そして、この東海道のすぐ近くには海が広がっていました。
東海道品川宿を歩くときは、お寺と神社、地形を見ながら海が目の前にあった時代のことを想像してみましょう。
【品川の古い道～中原街道～】　
中原街道は、港区から品川区に入り、大崎・五反田・荏原・旗の台を経て大田区へ抜けています。この中原街道もとても古くから通っている歴史のある道路です。江戸時代には、江戸城の門の一つ虎御門、現在の港区虎ノ門がスタート地点、中原という場所がゴール地点になっていました。
それでは、中原街道の「中原」とは現在のどこの場所を指すと思いますか？次の3つから選んでみてください。
①品川区荏原一・二丁目・小山二丁目付近の中原
②神奈川県川崎市の中原
③神奈川県平塚市の中原
正解は、③です。
荏原一丁目・二丁目、小山二丁目付近の中原は、今はない地名なのですが、平塚市の中原には、江戸時代に徳川家康が建てた中原御殿と呼ばれる建物がありました。この中原御殿に向かうための道、それが中原街道です。
いま、品川区内を走る中原街道は、道幅が広くなりましたが、荏原一・二丁目付近と西中延二丁目・旗の台二丁目に江戸時代の古い道が残っています。車がたくさん通る大きな通りの隣にある細い道です。その近くには、当時の人たちが建てたお地蔵さんや石の塔などがあります。
近くへ行ったらお参りしながら道を歩いてみるとよいでしょう。
いかがでしたか？東海道と中原街道の歴史について見てきました。
このほか、品川区内には、今は池上通りとして残っている大田区にある池上本門寺へお参りするための道である池上道、昔、今の府中市にあった武蔵国の中心地と品川を結ぶ品川道、目黒区下目黒にある目黒不動へお参りするための道である目黒道、同じく目黒区碑文谷の円融寺へお参りするための道である碑文谷道などが通っています。いずれも道の行き先がその道の名前になっています。
一方で、名前の付いていない小さな道が、元々古い道である可能性もあります。お家の近くや学校の近くにもあるかもしれません。
道のことを調べる時は地名がヒントになります。今なくなってしまった地名は、公園や交差点などの名前に残されていることがありますので、調べてみましょう。
自分なりに疑問を持って調べてみると、多くの発見があると思います。ぜひ楽しみながら取り組んでみてください。