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先週からシリーズでお伝えしているいわゆる“2024年問題”。今回はバス業界です。九州運輸局によりますと、バス運転士の賃金は男性で月約28万5千円と全産業の平均37万円と比べると低い傾向。一方で平均年齢は高くなっていて、運転に必要な免許を保有している県内の約1万人のうち、50代以上の割合が9割を超えています。市民の大切な足を維持ため苦渋の決断を迫られた会社もありました。
【昭和自動車 小島裕之さん】
「やはり利用者のことを考えると最終便を早くするなどは申し訳ないなと思っている」
働き方改革の一環で運転手の長時間労働などを防ぎ労働環境を改善しようと2019年に施行された改正労働基準法。一部業界のみ施行を猶予されてきましたがいよいよ4月から規制が始まります。いわゆる2024年問題です。
このうちバス業界ではこれまでより必要な休息時間が長くなることでその分、1日の拘束時間の上限が短くなり最大15時間までとなります。上限が短くなったことで1人の運転士を拘束できる時間が減り、これまでより多くの人数が必要に。規制前から続く慢性的な人材不足に担当者は頭を抱えています。
【昭和自動車 小島裕之さん】
「運転手も数年前から募集をずっとかけているが、入っては来ているがやはり退職などもあり2024年(問題)に対応するまでの人数には至っていない」
唐津市や伊万里市、福岡県などを走る昭和バス。運営する昭和自動車は4月以降の運転士不足に備え、今回20路線を再編する大幅なダイヤ改正に踏み切りました。
【昭和自動車 清水さん】
「路線の見直しを行ったことで、約10人分の運転手の削減が可能になっているので4月以降は若干のプラスでスタートできるのではないかと考えている」
4月から唐津市の大島地区では4つのバス停を廃止し、他の路線を延伸することで付近をカバーします。このほか肥前地区や玄海町でも約20のバス停が廃止になり、地域のコミュニティバスなどで代替することになります。また、最終便の時間も10路線で約1時間繰り上げました。
【昭和自動車 小島裕之さん】
「やはり利用者のことを考えると最終便を早くするなどは申し訳ないなと思っている、最低限利用できる状況の中でこれが限度かなという本数まで(運行)しているのでそこでなんとか理解してもらえないかなと」
人手不足をカバーするためにはどうしても必要な“バス運行の効率化”。苦渋の決断の一方で市民からは不安の声も上がっています。
【女性】
「2時間ぐらい乗り遅れたらバスは来ないから車に乗る人や家の人が送ってくれる人はいいがそうじゃないとなかなか大変だと思う」
「不便やはり、だけど従うしかないかなと思って」
ダイヤ改正により喫緊の問題は乗り越えたものの、今後も継続して維持するためには平均55.6歳と在籍する運転士の高齢化や、業界としての人気度の低さなどまだまだ課題があります。
【昭和自動車 清水さん】
「いざ無くなってしまう前に日頃から色々な行政や地域の人とバス会社と連携して残すための方策を検討していく必要もあると思うし。運転手がいないことにはそれも立ちいかなくなるので、そういったところを含めたバス会社だけではない議論の場も今後増えていけば」
【長島記者】
「市民の大切な足を守るため、各社で人材確保への試行錯誤が続くなか佐賀市では新たな取り組みが始まっています」
佐賀市内を網羅する佐賀市営バス。運営する佐賀市交通局はある組織をターゲットに絞った採用活動に取り組んでいます。“自衛隊の退職予定者”対象のインターンシップです。
【バス内で説明】
「お客様が乗っている時には快適な乗り心地を実現させなければいけないということはスキルとして求められます」
退職する隊員の就職支援を行っている、自衛隊佐賀地方協力本部と開きました。
【佐賀市交通局 廣田さん】
「退職予定自衛官が大型免許を持っている人が非常に多くて、運転経験も非常に豊富ということで運転手として有望な人材と捉えている」
この日は来年までに定年退職予定で、再就職先を探す隊員6人が参加。仕事内容や勤務条件について自衛隊OBの職員などから説明を受けました。
【OB運転士】
「災害派遣行った時に皆さんとコミュニケーションとる、喜んでもらえることに関してはこのバスの仕事は(自衛隊と)非常に相通じるところが多いと思う」
【参加者】
「質疑応答の場面を設けてもらって多少は不安を解消することができた」
「(利用者から)ありがとうという言葉がもらえたら本当にうれしいだろうなと感じられた」
このほかにも回送中のバスの行き先に「運転士募集」の表示をするなど、あらゆる方法で人材確保に取り組んでいます。
【佐賀市交通局 城野さん】
「目的としては運転手不足ということで走っている時に何か広告ができないかということで、見られたら募集をしているなと気軽に声かけてもらったら」
ただ、募集すれば人が集まるという簡単な話ではありません。事態を複雑化しているのは2024年問題に関わる業界が複数あるということ。佐賀運輸支局の担当者は“人材の取り合いが起きている”と指摘します。
【佐賀運輸支局 牟田嘉伊座さん】
「運転手個人としてはより稼げる業種にいきたいということで、バスからトラックなど、最近はタクシーがよそでは給料が上がっていることもあるのでバス・タクシー・トラックでまさにドライバーの取り合いという構図は県内でもある」
ドライバーの労働時間を規制する2024年問題…そして、それに起因した人手不足。高齢化社会も進む中、地域住民の足として重要なバスを守っていくためには、単に運転士を増やすだけではない抜本的な解決策が必要と言えそうです。
【佐賀市交通局 廣田さん】
「今後運転士不足というのがなかなか簡単に解消できない問題であるということを前提に、運転士の数に見合った公共交通のあり方、維持を考えていかないといけない」