五の形 日本語版

「五の形」は、嘉納治五郎師範が明治20年（1887）講道館柔道の形として制定され、柔道の攻撃防御の理合いを高尚に表現し、5本まで作られたので「五の形」と称しているが、個々の技には名称がない。この形は、天地自然の姿であり、その理法をかたどって柔道的に表現した芸術味のあふれた形である。
一本目は、小さい力でも合理的に間断なく攻め続ければ、強大な力をも容易に制する理合いを表現したものである。
二本目は、強大な攻撃に対し、その力をそのまま利用して制する理合いを表現したものである。
三本目は、渦潮の内円が外円を制する理合いを表現したものである。
四本目は、大波が岸辺に打ち寄せ、何物をも呑み込んで引き返す理合いを表現したものである。
五本目は、正面から打ち寄せる大波に直面し、一瞬身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある理合いを表現したものである（宇宙の現象を表現したとの説もある）。