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物流の停滞が懸念されている2024年問題が目の前に迫っています。
何も対策を講じなければ輸送力は来年度には14%。2030年度には34%不足するとの指摘もされています。解決のために「最前線」で動くトラックGメンに密着しました。
県内某所…。
路肩に止まるトラックに中国運輸局のジャンパーを着た2人が近づいていきます。
【トラックGメン】
「すみませんお休み中に、お困りのこととかがあればこちらで働きかけとかをしていまして、情報収集とか行ってますので」
彼らは去年7月に国交省職員の中から選抜された「トラックGメン」。
中国運輸局管内では13人が活動する専従班です。
【トラックドライバー】「2024問題?」
【トラックGメン】「2024問題で我々活動させてもらっている。いま荷待ち中?」
【トラックドライバー】「そうそうそう…時間決まっとるけえ…」
荷待ちとは荷物の積み下ろしのために待たされる時間のこと…。
中には荷主の都合で長時間に及ぶ場所もありトラックGメンは目を光らせています。
【トラックGメン】「結構待っている?」
【トラックドライバー】「しょうがないのわかっとるけえ…ここらはまだいいんよ、中心部よ。待つところないんじゃけえ…どうせするならそっちもやって。企業も駐車場つくるとか時間通りに何時にきてというなら何時にやってって…」
トラックGメンが立ち向かう「2024年問題」。
荷物が増える一方、ドライバーは、若年を中心に減っていて、このままではトラックがあっても運べない状況に…。担い手の確保に必要なのは働く環境の改善です。
【トラックGメン(中国運輸局貨物課)山根 修 主査】
Q:どんなことを考えながらトラックをまわっている
「どうしても荷待ちになると、その間は体が休まらないということにもなったりするので、少しでもそれが短くなってドライバーの労働条件改善に繋がればいいかなと思っている」
来月からトラックドライバーにも時間外労働の上限規制が適用されるため、貨物の一部が運べなくなるなど物流への影響も懸念されています。
【トラックドライバー】
「やっぱり長距離とか走っている人は長い時間走っているが、それが、時間が短くなるから手取りが減ると懸念している人もいる」
解決の糸口となるトラックドライバーの待遇改善…。
しかし、現状は、輸送はイコール、サービスという“間違った考え”が“当たり前”になっています。世間のそうしたとらえ方に運送業界の現場も困惑しています
【今井運送 今井 廣志 常務】
「率直には『温度差がある』2024年問題に対して真剣に取り組んでいただける企業と世間体の様子を見ながら、他社がやったのでうちもそういう方向性にしようかな、2024年問題は運送会社が考えるテーマだよね。この3つに分けられそう」
廿日市市に本社を置く「今井運送」。
【今井運送 長距離トラックドライバー】
「たいていのドライバーは月曜日の朝に広島を出発して金曜日の夕方もしくは土曜日の朝帰ってくる運行形態がメインになっている」
鉄鋼や建築資材など全国各地にあらゆる荷物を運んでいますが、関東方面を例にとると荷物が届くまでにこれまでの倍以上の時間がかかるケースが増えると懸念しています。
一方で、2024年問題についてはおととしから独自にセミナーを開いて理解を求め、運賃交渉をしやすい環境をつくる努力をしてきました。
【今井運送 今井 廣志 常務】
「指定日時・指定時間に納品するのが当たり前というのが根付いていたと思うが、物流改革の一環でまず取り組まないといけないと思っている。価格交渉は根気強くやっていくしかない。国が定めている標準的な運賃が何かといったら、それくらいのものがないと雇用するにもそうだし流通するにもそうだが、滞っちゃいますよという一つのアナウンスだと思っている。そういうところを皆さんにご理解いただいて展開していければと思うし、反面、そこの標準運賃を下回る企業を逆に取り締まることも同時にしていかないとこの問題はいつまでも解決しないと思っている」
トラックGメンも適正運賃収受などを実現するため例えば運賃・燃料サーチャージの価格交渉に応じない「不当な据え置き」や契約にない手作業での積み込み、検品の強要などの「付帯業務」などの「違反原因行為」を荷主が行っている疑いがある場合、改善への「働きかけ」や最悪の場合には「勧告・公表」を行うとしています。
この日、トラックGメンが向かった先は荷物を輸送させる「荷主」企業。問題解決のカギを握るもう一方の実態に迫ります。<次回 後編 放送予定>
<スタジオ>
公共交通だけではなくてこうした物流・輸送、匹田さん、日本全体で大きな問題ですね。
【広島大学大学院・匹田 篤 准教授】(社会情報・メディア論が専門)
「今、荷主の意向が強いわけだが、今後こういう状況がずっと続いていくと利益が薄い地域に関しては、路線が維持できなくなる。そういう事態も見られると思うので、本当に真剣に考えなければいけない」
社会全体の仕組みとして考え直す必要がありそうです。