【ジル・ドゥルーズ(ガタリ)】西洋哲学解説【ポスト構造主義】【パラノとスキゾ】

  Рет қаралды 24,475

哲学チャンネル

哲学チャンネル

3 жыл бұрын

※読んでみたい本やあると便利な機材など。もしよろしければご支援いただけると幸いです!
www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/...
サブチャンネル
/ @user-mg4yd4xr7c
Twitter
/ tetsugaku_ch
note
note.com/tetsugaku_ch
※関連した過去動画
【ドゥンス・スコトゥス】西洋哲学史 中世スコラ哲学解説【存在の一義性】
• 【ドゥンス・スコトゥス】西洋哲学史 中世スコ...
※書籍
ドゥルーズ+ガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義
amzn.to/3dmYRha
とっつきづらい哲学や心理学の内容を、出来るだけわかりやすく完結に
お伝えすることを目的としたチャンネルです。
チャンネル登録、高評価、拡散、ぜひぜひ宜しくお願いいたします。
Twitterやってます。
/ tetsugaku_ch
動画の書き起こし版です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ドゥルーズは、1925年パリに生まれます。
それからの生涯、ほとんどパリを離れることはなかったと言われています。
後にパリ第8大学の教授となり、
肺病によって投身自殺をする1995年まで、様々な著作を世に残します。
ドゥルーズの特徴といえば、その哲学に対する切り口でしょう。
彼は、数学の微分概念を哲学に転用しました。
もう一度言います。
哲学の読解に微分の概念を使いました。
なんと言いますか、非常に中二心に訴えるものがありますね。
哲学の解読に数学を使うとか、無条件にカッコ良いです。
実際彼は、微分概念とドゥンス・スコトゥスが提唱した【存在の一義牲】の立場から
ヒュームをはじめ、ニーチェ、カント、スピノザ、ベルクソンなど、
様々な哲学者の思想を独自に解釈して世に発表しました。
また、精神分析家であるフェリックス・ガタリと『ドゥルーズ&ガタリ』というユニットを組み、
共同でいくつかの書籍を出版したことも有名です。
ドゥルーズはデリダが西洋的な思考方法を批判したのと同様に、
それまでの西洋哲学の考え方に疑問を持ちました。
それまでの西洋的思考においては、
物事の関係性には何か体系的な仕組みが存在しているはずだと考えられてきました。
例えば、自然界の弱肉強食を図に表すとこのような感じです。
肉食動物がその頂点にいて、草食動物を捕食する。
草食動物は植物を食べて、植物は昆虫によって子孫を残し、
彼らの死骸を細菌などが分解する。
このように、何かしらの綺麗な法則の中に世界は組み込まれていると考えるのが
それまでの西洋的な考え方だったのです。
ヘーゲル的な弁証法も、このような思考形式をとっているため、
その頂点に向けて止揚を繰り返していくのでした。
しかしドゥルーズは、西洋的な考え方は、その体系に組み込まれないものを排除してしまう危険な考え方だと指摘します。
彼は、本来世界には明確な秩序なんてものは存在せず、
バラバラの状態が続いているだけだと考えるのです。
それを人間が無理やり体系化しているだけだと。
西洋的な体系化の思考方法のことを【トゥリー(樹木)】といい、
ドゥルーズが提唱する思考方法を【リゾーム(根)】と表現します。
彼はその上で、世界は欲望によって形作られていると考えます。
欲望はただただ四方八方に好き勝手に飛び回り、
それが結果として様々な自然現象を生み出していると主張したのです。
欲望によって動かされている世界のことを【欲望機械】と呼びます。
人間についても同様で、我々は本来的に欲望の産物であり、
欲望の赴くままに生きたいという欲求を持っています。
しかし、その飛び回りたい欲望達を、社会や家庭が抑圧することによって
『自分はこういう人間だ』という型に押し込められてしまいます。
この型のことを【アイデンティティ】と呼びます。
アイデンティティが形作られると、その型通りに生きようという力が働き、
他人の評価を気にしたり、社会に縛られたりしながら生きることになります。
このような状態を【パラノイア(偏執症)】といいます。
一方で、自分の人格やアイデンティティを持たずに、
好き勝手に欲望のままに生きる存在のことを
【スキゾフレニア(分裂症)】といいます。
スキゾフレニアはリゾーム的な考え方のもと、
自分の欲望を素直に表現するばかりではなく、
他者の価値観もこだわりなく受け入れます。
ドゥルーズはこの対比から、リゾーム的な考え方、
そしてスキゾフレニア的な生き方こそ、人間が目指すべきものである。と主張しました。
ちなみに、パラノとスキゾというこの二つの概念は
1980年代に日本に輸入され、当時の社会情勢とマッチしたために
1984年の新語・流行語大賞の銅賞を受賞しています。
当時は竹の子族やホコ天の全盛期です。
社会的にそのような生き方に憧れが強かったのだと考えられますね。
ドゥルーズはさらに、スキゾ的生き方の理想型として
【ノマド(遊牧民)】を例に挙げます。
遊牧民は、定住する場所を持たず、常に移動しながら人生を過ごします。
一方で定住地を持つということは、
その場所に知財をため込むということになります。
知財が増えれば増えるほど、その場から身動きが取れなくなって
結局パラノイア的な生き方に自分自身を縛ることになってしまいます。
また、定住地を持っていると、仮に旅行にたくさん行ったとしても、
毎回毎回旅行先から知識を持って帰ってくるはいいものの、
結局は定住している自分の場所で構成されている価値観で、
旅行先の情報を判断しているに過ぎません。
ノマドは、定住地を持たないために、
あらゆる場所で偏見なくその場所の価値観を受け入れられる。
と考えられました。
このようなことから、ドゥルーズはノマド的な生き方をすることを推奨したわけですね。(ノマドになろうと言ったのではない)
それがたった35年ほど前の話です。
現在では、ノマド的な生き方が過去に比べて実現しやすくなりました。
そして、これからそれはさらに顕著になるでしょう。
しかし、多くの人がそのような生き方を選択したら。
『国』という共同体は存続可能なのでしょうか?
その辺りは我々以降の世代に課せられた大きな課題だと感じます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
#ドゥルーズ
#ガタリ
#スキゾフレニア

Пікірлер: 24
@spreadquick1197
@spreadquick1197 3 жыл бұрын
アイデンティティという枠組みがあって、共同体に縛りつけられ、百姓のようにくる日もくる日も同じことを繰り返す生活が好きですね。個人的には。
@user-mv5mw8ix1b
@user-mv5mw8ix1b 3 жыл бұрын
世界は欲望によって作られるという考え方の言う「欲望」は、なんかショーペンハウアーの言う「意志」にある部分共通しているように見えますね。。
@f9um9uat
@f9um9uat 4 ай бұрын
少ない文字で世界を記述さる為にことばのもつ論理をくみたてることをよくよく発達させた印欧系の人たちがそれから脱出しようともがく姿勢は、1番に禅に傾倒したスティーブ・ジョブズの話を思い起こさせました。構造未満の細部にたいしての愛情は20世紀末のおおきなムーブメントだったんですね。
@chipsfish990
@chipsfish990 3 жыл бұрын
人がカテゴライズしたがるのは、楽したいからだと思っています。自分に対しても、他人に対しても楽したいからカテゴライズのではないかと。話は変わりますが、私は欲望のまま生きているので、行動に一貫性がありません。やりたいと思った時に 、やりたいことをします。飽きたらやめます。その繰り返しで歳を重ねています。計画性なんてありません。今楽しければそれでいいと、本気でそう思っています。ですが、未来のために今苦労する系の人によく馬鹿にされます。私はその人に対して何もしていないのに...。人の生き方を馬鹿にしないと成り立たない生き方ってしょうもなくない?って言いたくなります。いやその人の生き方ですからどうでもいいんですけどね。関わらないで欲しいです。
@user-or5vy1ek4t
@user-or5vy1ek4t 3 жыл бұрын
おっしゃる通り人は白か黒かをはっきりさせることで安心感を得る動物だと感じています。そのような傾向も様々なところに見られます。個人的にはその中の濃淡にこそ本当に大事なものがあると感じています。
@sato7766
@sato7766 2 жыл бұрын
コメ主さん その自由はサルトルさんも言っている通り苦痛が伴うものです。だから自由に生きる以上仕方のないことなのです。 それにどうでもいいと言う割には長々と愚痴をこぼしているし、その人の生き方と言う割には関わらないで欲しいとその人の生き方に制限を課そうとしている。ちょいと矛盾してますね。それも自由にゆえなんでしょう。
@user-dr8vt9cm1u
@user-dr8vt9cm1u 3 жыл бұрын
ノマド的生き方。がこの後の生き方と言われましたね。理想は好きですが実際は難しいですね。ノマド的生き方ができる人は少ないと思います。あまりにも人の気持ちは後戻りが多いからです。
@aruru4600
@aruru4600 3 жыл бұрын
リゾーム組織はツリーと比較すると分かりやすいんですね。ノマドに対する問題定義は考えてしまいます。いつもありがとうございます。
@ichikawatomo2862
@ichikawatomo2862 Жыл бұрын
頂点のライオンさんが可愛い過ぎます😂
@user-iu4yd9hj7l
@user-iu4yd9hj7l 11 ай бұрын
中動態はリゾームの変奏として捉えられそうですね
@user-me4ng8px1q
@user-me4ng8px1q 3 жыл бұрын
「欲望」が四方八方に好き勝手に飛び回るイメージも今ではずいぶんナイーブに感じられます。 今は欲望は方向づけられ欲望するより欲望させられているのでは。 ノマドとして生きるのもけっこうたいへんそう。
@user-or5vy1ek4t
@user-or5vy1ek4t 3 жыл бұрын
ドゥルーズが語った『欲望』と、現在世間一般の『欲望』はまた違って意味を持つような気がします。心から湧き上がるものと、外部に作られたもの。そう考えていくと、これほど難しいものはありませんね。
@user-ok5dy6qn7z
@user-ok5dy6qn7z 11 ай бұрын
差異と反復読んでもわからなくてドゥルーズ入門読んでもちんぷんかんぷんだったので助かります
@user-pt2nm9ub8h
@user-pt2nm9ub8h 6 ай бұрын
ただの禅思想の空でいることと同じことを言ってる気がする
@heroshihezaki3699
@heroshihezaki3699 Жыл бұрын
水を冷やすと氷になって固くなるのは、寒くなって分子の動きが狭まり寄り集まるから、だったような気がします なので、水の変態は自発的ではないのでは?と考えると、他の現象も変態の上では同じで、自発的というより何らかの他者との相互的な作用によって、様々な自発的に見える変態的表現が現されるのではないかと思いました そんな人がいるのか知りませんが、リゾームの定まったツリーを謳歌している人は、日本語的には植物人間ということになるんだろうか、とも思いました
@user-qh3xv3bi1k
@user-qh3xv3bi1k Жыл бұрын
スキゾフレニアとパラノイアって、精神医学の用語を他分野でも使ってたんですね。根を張らない生き方を人は実現できるんでしょうかね?
@UzubeWashinya
@UzubeWashinya 2 жыл бұрын
なんで?分けちゃうんだろ?  アメーバ見たく 中間な 生き方は ないのか???
@user-ch6ie4nk6d
@user-ch6ie4nk6d 2 жыл бұрын
両脳交互思考=哲学
@amok109
@amok109 3 жыл бұрын
ドゥルーズのフランシスベーコンの絵画論読んでたんですけど途中からわからなさすぎてKZbinに逃げてきました…
@foolim1
@foolim1 Жыл бұрын
西洋的な2元論を克服しようとするが結局スキゾ的vsパラノ的という新たな2元論を提唱してるだけのように見えるのですがどうですか?
@ri_1067
@ri_1067 3 жыл бұрын
へぇー!「パラノ」と「スキゾ」って概念ばかりでなく言葉として日本中で流行った過去があったんですね。初めて知った!
@user-or5vy1ek4t
@user-or5vy1ek4t 3 жыл бұрын
ちなみに同年の流行語大賞は『オシンドローム』です。 超人気番組『おしん』に対する共感を表した言葉でして、当時の日本が古き良き昔の感性と新しい新世代の感性との間で揺れ動いていたことが垣間見えます。
@fakelop4178
@fakelop4178 3 жыл бұрын
う〜ん、遊牧民が移動しながら生きるのは必要に迫られてだよな
【無謀】西洋哲学史を限界まで圧縮してまとめてみました
5:16
浅田彰の「構造と力」を解説【哲学】現代思想のチャート式総復習
27:20
帰ってきたロシュフコー
Рет қаралды 152 М.
КАРМАНЧИК 2 СЕЗОН 7 СЕРИЯ ФИНАЛ
21:37
Inter Production
Рет қаралды 546 М.
Каха и суп
00:39
К-Media
Рет қаралды 5 МЛН
Became invisible for one day!  #funny #wednesday #memes
00:25
Watch Me
Рет қаралды 57 МЛН
ドゥルーズって何をした人なの?【哲学】ドゥルーズ入門動画
10:59
帰ってきたロシュフコー
Рет қаралды 33 М.
КАРМАНЧИК 2 СЕЗОН 7 СЕРИЯ ФИНАЛ
21:37
Inter Production
Рет қаралды 546 М.