真空管は中を覗いてみると分りますが、プレス成型された金属板と金属線で出来た網、機械で巻かれた金属線を組み合わせたもので、一言で言うと機械加工製品に分類されます。ですから、当然ですがどの部品も全く同じに作られて居る訳では無く、ある範囲での誤差を含んだ部品が組み合わされた製品です。しかも、真空管の特性はアノード、グリッド、カソードの位置のほんの少しの位置のずれでも派手に違ってくるので、測定してみると同じ特性の真空管は一つとして存在しません。ですから、測定結果から性質の似通った真空管を選んでペアで売る事があるのです。こう書くと、お察しの良い方はお気づきかと思いますが、製品の品質管理の良い会社のものを選ばないと残念な結果に成る場合が多くなります。運に左右される所もあるので、運が良ければ 100 円ショップの中国製でも良い結果に成る事も有りますが、自分としては余り御勧め出来ません。また、ケーブルやプラグについては、どんな環境下で使うかによって結果は全く違ってきますし、扱い方一つでも結果は違って来ます。唯、一般家庭での音響製品に使う限り安価な物でも高価な物でも「音」に影響を与える事は稀です。ケーブルの被覆がポリエチレンでも、塩化ビニルでも、ゴムでも、木綿糸巻きでも結果は変わりません。唯、一部のオーディオマニアは、ケーブルの抜き差しの回数が多くなる方もいます。そう言う方にとっては木綿糸巻きとか、高価なプラグの組み合わせが良いのかも知れません、詰り、ケーブルに掛かる機械的負荷の大小で使うものは選ばないと成らないのです。放送局とかで使用されるケーブルは非常に太くがっしりとして居てプラグ一つでも目の玉が飛び出る程高価です。また、ケーブルの収納には細心の注意を施しておりアールの非常に大きいドラムに収納して居ます。また、梯子とかラダーと呼ばれる支持物の上に機械的負荷が掛かり難いように固定配線類は設置されて居ます。また、信号線専用のアースが設置されていて万全のノイズ対策をとって居ます。あくまでも知識として特殊な配線についての情報を以下に書きます。精密な測定等が行われる研究所などでは三相 6,600 V の高圧受電で入り口の変圧器に高調波フィルターを取り付けて電源波形が高品位に成る様にして居ます。また、電圧降下が問題となる幹線には銀製導体、此れは可也太いのでお金が掛かっています、を使用して居ます。ですから、こう言った配線路は現実的に大企業や国の研究施設でのみ実現可能なのです。唯し、最近は測定機器がデジタル化されて電源とかから来る外乱に対して非常に強く成っているので、この様な配線は最近は必要なく成って来て居ます。あと、一般のマニアの方にお勧めなのはレコードの再生時にカートリッジとヘッドシェル間を繋ぐ配線に銀線とか銀メッキ線を使う事です、これは相当に効果があります。特に MC カートリッジを使用する際には投資する価値が有るのでお勧めします。唯、フォノアンプにアホな物を使うと台無しでは有りますが。お金は迚も大切なので自分の置かれている環境とか、視聴目的に合わせて投資してより良いオーディオライフをお楽しみに成るように期待して居ます。