英語の歴史についての概説的なものは読んだことがあるのですが、非常に分かりやすい説明ありがとうございます。 アクセントのない短母音が曖昧母音化したという件が印象に残りました。他の言語でも似たようなことが起きているようで、多くの言語に見られる現象なのでしょうかね? カタルーニャ語を学んだことがあるのですが、カタルーニャ語の中部から東部にかけての地域変種も同様なことが起きています。アクセントのない e が曖昧母音化し、このことが同言語の西部方言(バレンシア語を含む)や、カスティーリャ語(スペイン語)やガリシア語との印象を大きく変えています。興味深いです。
(仏西にも格変化はなく、アラビア語も文字や現代の発音に現れる格変化は限られていますが、)性や格の存在に伴う複雑さは、その言語を話す/書くときに気をつけなければいけない点が増えるという点では難しくなりますが、読む(&聞く)ときには、多義性が弱く(低く?)なり、理解が楽になります。 英語では、例えば A of B that did ~ という名詞句があったときに、 [that did ~] が修飾しているのがBなのか[A of B]なのかは、文法からは分かりません。しかし、言語によっては、thatに相当する部分あるいはdidに相当する部分が、修飾する相手の性・格・数・定性などに応じて変化します。そういう言語であれば、[that did ~] が修飾しているのがBなのか[A of B]なのかが判別できる場合があります。 書くことを考えれば英語はこの点で楽ですが、「難解」なのはむしろ英語の方だと感じます。