「白色」の色温度範囲が 4,500 - 6,700 K、「白色又は淡黄色」の色温度範囲が 2,800 - 6,700 K というのは完全な間違いです。そもそも純正ハロゲンバルブの色温度は 3,200 K 程度で、現在製造される自動車の前照灯は保安基準により「白色」なので、 3,200 K が「白色」の色温度範囲から外れているわけがない。 おおよその色温度範囲は「白色」が 2,250 - 6,700 K 程度、「淡黄色」が 2,200 - 3,250 K 程度です(ただし「白色」とか「淡黄色」とかは色温度によって決められているわけではないのでおおよその値であり、正確ではありません)。 7:36 から出てくる図(色度図)に描かれている長方形が折れ曲がったような形の枠の内側が「白色」の範囲、 5 角形の枠の内側が「淡黄色」の範囲です。右に行くほど色温度が低くなり、左に行くほど色温度が高くなります。 図をよく見ると (1) として 4,500 K のプロットがありますが、「白色」の範囲の中央よりも左にあり、「白色」の色温度はもっと低くてもいいことを示しています。同様に (5) として 2,800 K のプロットがありますが、「淡黄色」の範囲のむしろ左端近くにあり、「淡黄色」の色温度ももっと低くてもいいことを示しています(後述するようにこの 2,800 K の値は正しくありません)。 この色度図はグッドスピードさんがご自身で作られたものではなく、どこかにあったものであるはずです。この枠とプロットを記入した人が「白色」の範囲は 4,500 - 6,700 K で「白色又は淡黄色」の範囲は 2,800 - 6,700 K だなどと言うわけがないからです。グッドスピードさんはこの図をどこからか拾ってきて、そこに書いてあった 4,500 K とか 2,800 K を勝手に色温度の下限だと思い込んだということでしょうか。色度図について理解していればそんなことは絶対に思わないはずですが。 なお、図中のプロット (1)(2)(3)(4)(5) はおそらく市販品の実測値か何かで正確ではありません。 (5) は 2,800 K となっていますが実際には 3,200 K くらいあります。 「白色」と「淡黄色」の色温度範囲が重なっていることを不思議に思われるかもしれませんが理由は簡単で、「白色」と「淡黄色」は色温度の違いではなく別の色だからです。色度図上の範囲が別であることからもそれはわかると思います。色温度 3,000 K の「白色」も色温度 3,000 K の「淡黄色」もあるのです。 それから誤解されないように言っておきますが、自動車の灯火の「白色」とか「淡黄色」というのはあくまで自動車の灯火の色についての呼び名で、一般的な白色や淡黄色について規定したものではありません。たとえば室内照明の蛍光灯や LED の「白色」にはまた別の規定があります。